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英国王室が支持するダイヤモンド「ロイヤル アッシャー」が創業170周年 6代目が語る代々受け継がれる“輝き”

オランダ発ダイヤモンドジュエラー「ロイヤル アッシャー(ROYAL ASSCHER)」は今年、創業170周年を迎えた。同ブランドは、ジョセフ・アイザック・アッシャーが1854年オランダ・アムステルダムでダイヤモンドのカットと研磨を行う会社として創業。20世紀初頭には、世界最大のダイヤモンド原石である“カリナン”(3106カラット)のカットをはじめ、ロイヤル・アッシャーカットなどオリジナルのカットを開発し、ダイヤモンド・カッターズ・ブランドとして世界の王族から支持されるようになった。同ブランドは天皇家とも関係が深く、1921年に皇太子裕仁親王(昭和天皇)、53年に皇太子明仁親王(上皇さま)がオランダの本社を訪問。1980年と2011年には、オランダ王室から“ロイヤル”の称号を授与されている。170周年を記念するイベントのために来日した、アッシャー家6代目でロイヤル・アッシャーの指揮をとるマイク・アッシャー共同代表とリタ・アッシャー共同代表に話を聞いた。

代々にわたりダイヤモンドの究極の輝きを追求

WWD:「ロイヤル アッシャー」のブランド哲学は?

リタ・アッシャー=ロイヤル アッシャー共同代表(以下、リタ):われわれがカットするダイヤモンドは、他のダイヤモンドよりも美しく輝く。より美しく輝くダイヤモンドをカットするのがわれわれ一族のDNAであり、ブランド哲学だ。父が開発したロイヤル アッシャー カットを始め、代々、美しいダイヤモンドのカットを生み出してきた。われわれは5つのダイヤモンドのカットの特許を持っている。各面が完璧にカットされたダイヤモンドだけが特許を与えられる。

マイク・アッシャー=ロイヤル アッシャー共同代表(以下、マイク):原石の歩留まり(カットしたときの重量)を気にせず、ダイヤモンドの美しさにこだわってカットしている点。コストよりも美しさが重要。輝きや美しさを感じられないダイヤモンドには価値がないという考えからだ。

WWD:ロイヤル アッシャーが他のダイヤモンドジュエラーと違う点は?

マイク:他のダイヤモンドカッターは歩留まりを重要視するが、われわれは、ダイヤモンドの輝きにフォーカスしている点。他社は、ダイヤモンドを商品として販売するが、われわれは、6代に渡り、ダイヤモンドの輝きをどうやったら引き出せるか研究し続けてきた。極限までそれにこだわるのがロイヤル アッシャーだ。他社は歴史がないし、“ロイヤル”のタイトルを持っているのは、われわれだけ。

リタ:ダイヤモンドのカットや研磨に対する情熱と技術力は、どこにも負けない。革新を継続しながら、美しいダイヤモンドを提供し続けている。原石から魔法のような過程を経て生み出されるダイヤモンドの輝き。顧客もダイヤモンドを見れば、その魔法を感じるはずだ。

WWD:世界の王室から支持される理由は?

リタ:イギリス王室の王冠に飾られている“カリナン”をカットした偉大なダイヤモンドカッターだから。われわれが大切にしている品質の高さと美しさは、王室からも認められている。オランダのマキシマ王妃(Queen Maxima)の婚約指輪に使用されているオレンジのダイヤモンドは私の父が王室に販売したものだ。オレンジはオランダの王室を象徴するカラー。父はオレンジ色のダイヤモンドの原石を見つけてカットして、オランダのベアトリクス女王(Beatrix)に販売し、息子のウィレム=アレキサンダー国王(Willem-Alexander)に引き継がれ婚約指輪になった。

ビジネスと誇り受け継ぎ、ダイヤモンドの可能性を広げる

WWD:ダイヤモンドカッターとして創業したが、ジュエリー販売を始めた理由は?

マイク:リタが入社したのが大きい。女性が購入するのはダイヤモンドルースではなく、ダイヤモンドジュエリー。だから、リタがジュエリーのデザインを始めジュエリーとして販売するようになった。

リタ:国によって好まれるデザインは異なるけど、われわれは、主役であるセンターストーンにフォーカスしたデザインのジュエリーを提供している。今は、世界中のデザイナーと共にコレクションをデザインしている。

WWD:ダイヤモンドの9割以上がインドで研磨されているが、どこで研磨しているか?

マイク:アムステルダム、インドで研磨している。大きい原石は米ニューヨークでテクノロジーを駆使してカットしている。全てのダイヤモンドルースはアムステルダムに運ばれ、われわれ一族が品質の管理をしている。

WWD:現在何ヵ国で販売しているか?

マイク:25カ国以上。インドネシアでも販売を開始した。

WWD:注力していきたいカテゴリーは?

リタ:エンゲージメントリング。われわれのジュエリービジネスの75%がブライダルジュエリーだ。

WWD:日本市場における戦略は?

リタ:ダイヤモンドジュエリーのブランドとしてナンバーワンになること。あらゆる人に「ロイヤル アッシャー」のダイヤモンドの美しさを理解してもらい、ファンになってもらいたい。

われわれが持つダイヤモンドへの愛と情熱を消費者に伝えたい。ダイヤモンドを見ただけで、「ロイヤル アッシャー」と分かる、そのような商品を提供したい。われわれは歴史があるブランド。代々受け継いできたダイヤモンドに対する情熱と技術、それから生まれる輝きを、小売店に伝えるために、国内の全ての店舗を訪問する。父もそうだったが、小売店との関係性を大切にし、美しいダイヤモンドを扱うことの喜びを分かち合いたい。

WWD:今後、どのようにブランドを成長させていきたいか?

マイク:家族経営のビジネスは、次の代へ引き継ぐためのもの。引き継ぐのはビジネスだけでない。われわれが持つ誇りも引き継ぎ、先代よりも努力してより良い未来を築いていくことが重要だ。家族経営のビジネスは、自分の子どもを育てるように尊く、大切なもの。永遠の信頼がある。

リタ:商業的な利益だけを追求するのとは違う。家族で、未来を見据えて何がベストかとことん話合う。革新も大切。ダイヤモンドにおける美の限界を押し広げるのがわれわれの役目だ。

6代目として新しいカットの特許を取ろうとしている最中だ。そのうち、発表できると思う。

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