花王の「ビオレ(BIORE)」は、「湿度・温度ストレス」に着目した汗ケアの新シリーズ“ビオレ ゼロ”を3月2日に発売する。24年には台湾、香港、シンガポールで発売する。
同社の調べで、夏場のベタベタとした不快感は塩分などの汗に含まれる成分、皮脂の蓄積、過剰な汗の水分などにより引き起こされることが分かった。そこで“ビオレ ゼロ”は、汗、皮脂を吸い込む微細な穴が開いた多孔質シリカの粒子が肌上にベールを形成し、汗腺から出た汗をすぐに蒸散させることで、1日中快適な状態を保つ新技術「持続型パウダーヴェール」を採用した。
大判(230mm×200mm)の拭き取りシートタイプ(20枚入り、想定価格530円前後)と入浴中に使うローションタイプ(200mL、想定価格1080円前後)の2種。想定価格はいずれも編集部調べ。シートタイプについては、同社従来品の1.2倍の価格だが、小林達郎ブランドマネジャーは「相応の効果を感じていただけるはず」と自信を見せる。
UVミストは670万本販売の大ヒットに
「ビオレ」は近年、猛暑に対応する製品開発に力を入れている。昨年2月に発売した日焼け止めミスト“ビオレUV アクアリッチ アクアプロテクトミスト”は1年間で670万本以上を販売する大ヒット商品となった。霧状のミストは汗で日焼け止めが落ちやすくムレが気になる夏に、手軽に塗り直せる点、さらっとした使用感が消費者ニーズを捉えた。 今年3月にはミストUVの第2弾として、さらに汗・ムレ・擦れなどに強い“アスリズム プロテクトミスト”を発売する。今夏は“ビオレUV”シリーズ全体で前年比10%増の販売計画を立てる。
「ビオレ」はブランドがスタートした1980年以降、主に洗顔料やボディー洗浄料が主力商品となっていたが、近年注力する日焼け止めなどの「UV」と汗ケアなど「肌プロテクション」の両分野の合計が、ブランドの売り上げ構成の3割を占めるまで成長した。「温暖化と共に今後もますますニーズは高まっていくはず」(小林ブランドマネジャー)との考えの下、両分野がけん引する形で2027年の「ビオレ」ブランドの売上高を23年比20%増とする目標を掲げる。