カリフォルニアで行われる世界最大級の音楽の祭典、コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバルが4月15〜17日および22〜24日に開催される。カリフォルニア観光局などによると、このイベントの経済効果は7億400万ドル(約760億3200万円)にもおよび、ファッション業界だけでなくビューティ業界にも広がりを見せている。開催を目前に控え、カリフォルニアのスプレータンニングや脱毛サロンに駆け込み客が殺到。スプレータンニングとは、紫外線や日焼けマシーンの代わりに専用のスプレーを使用し、手軽に輝くブロンズ肌を楽しむことができるメソッドを指す。
ロサンゼルスの日焼けサロン「オーガニック シマー」のクリスティーナ・ルイス=オーナーは、「4月はコーチェラの影響で、サロンが1年で最も忙しい時期。直後には、カントリーミュージックの祭典、ステージコーチも開催を控えている。平日は終日予約で埋まり、日焼け肌を保つ製品の売り上げも急増する」と影響力を語った。カトリーナ・ブラウン=ブロンジング ブティック・オーナーによると、今年のコーチェラに向けたタンニングの人気色は、ダークブラウン。「自然な艶ではなく、クールなヒッピー風ファッションに映える深いブロンズカラーが好評。映画のプレミアなどの正装を求められるイベントに比べて、より非日常的な肌のカラーが求められる」と説明した。
脱毛もまた、コーチェラの準備に重要な要素だ。パス・スターク=スターク ワックス スタジオ・オーナーは、「脱毛は必須。ビキニでプールに寝そべりながら、お祭り気分を味わいたいんだからね。春が到来したタイミングなので、これを機に脚をフルで脱毛する女性もいるかもしれない」とコメント。さらに、「若者にとってコーチェラは出会いの場で、デートのようなもの。みんなデートにはベストな状態で臨みたい。4月のフェスシーズンになると、誰もがワクワクしてくるんだ」と語った。
ビューティ関係者にとって、コーチェラのようなイベントはミレニアル世代を獲得するチャンスでもあり、大手ビューティブランドもその波に乗っている。「カイリーコスメティクス」はコーチェラの開催に合わせ、メタリックでマットな質感のリップ3種をローンチ。アイラッシュブランド「アーデル」は、ハッシュタグ「#EyeHeartFestivalsContest」を使い、SNS上でメイクアップコンテストを開催。また、「NYXコスメティクス」は米「ナイロン」誌とタッグを組み、パーティーを催す。さらに多くのメイクブランドがコーチェラでのビューティトレンドを活用し、製品開発を行なう。日焼けサロンやスパを運営するサンレス社のマイク・コンキャノン=マーケティング担当副社長は、「こうしたイベントがあることで使用率が急激に増える。SNSでの露出が増えれば増えるほど、スプレータンニングの需要も高まるからね」と述べた。