2024S/S HAUTE COUTURE
2024年春夏オートクチュール・ファッション・ウイークが1月22〜25日にパリで開催された。ディズニープラス(Disney+)の「クリストバル・バレンシアガ(Christobal Balenciaga)」やアップルTV+(Apple TV+)の「ニュールック(The New Look)」などクチュリエを題材にしたドラマが続々と公開され、デザイナーの軌跡をたどる展覧会も増える中、老舗メゾンを率いるデザイナーたちが目を向けたのはクチュールの伝統や歴史をモダンに表現すること。丁寧な仕立てや繊細な装飾といった職人技から創業者が確立した美学やスタイルまでを生かしながら、現代の顧客に向き合う提案が目立つ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年2月19日号からの抜粋です)
「ヴァレンティノ(VALENTINO)」
意表を突く配色と手仕事で示す
モダンクチュールの在り方
ヴァンドーム広場にあるクラシックなクチュールサロンを舞台に、伝統を重んじながらも時代に合った価値とニーズを映し出すモダンクチュールの在り方を示した。コレクションを構成するのは、現代的なワードローブ。単体でまとうドレスもあるが、マスキュリンなテーラリングやワークスタイルのジャケット、Tシャツ、シャツ、ニット、オーバーオール、ワイドパンツ、フレアスカートまで複数のアイテムを組み合わせたルックが軸になり、意表を突く配色や質感の対比が際立つ。また、装飾はおなじみのフェザーやバラのモチーフに加え、カールさせた生地やうねった細長いスパンコールをびっしり縫い付けてフェザーやファーに見立てたり、パテントレザーの小さなピースを並べてクロコダイルの模様を再現したり。職人たちの新しいアイデアを取り入れている。
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