大森元貴さん、若井滉斗さん、そして藤澤涼架さんのドレスアップ姿、豪華絢爛です。3人ともバッチリメイク、そして「ボス(BOSS)」のジャケットにはスパンコールやクリスタル、そしてパールにレースが縫い付けられ、眩い輝きを放っています。中でも藤澤さんは、蝶ネクタイにパール、そしてティアラ!まぶたと鼻筋にもジュエリーをあしらい、「ドレスアップを楽しんでます!」感が全開です。「GQジャパン」の石田潤ヘッド・オブ・エディトリアル・コンテントは、「GQ メン オブ ザ イヤー」で新時代の男性によるドレスアップスタイルを伝えたいと話していました。まさにMrs. GREEN APPLEのドレスアップは、新しい時代の到来を告げている、そんな印象を受けています。
ジェンダーにまつわる既成概念は若い世代を中心に急速に揺らぎ、それぞれが、それぞれらしくファッションやビューティを楽しむ時代になろうとしています。「WWDJAPAN」も長らく、メンズコスメの可能性を論じたり、まずはバッグ、つづいてはジュエリーの世界でメンズとウィメンズの境界線がかなり曖昧なものとなり、例えば垂れ下がるピアス、例えばクロスボディのバッグなどは、男性・女性を問わず共通して売れている旨をお伝えしたりしてきました。
そして大塚副編集長が伝える通り、2024-25年秋冬メンズはこうしたジェンダーの既成概念がさらに曖昧なものに。特に印象的なのは、普遍的なジャケットスタイルをアップデートするために、かつてはストリートを参考にしていたデザイナーやブランドたちが、今はウィメンズウエアを参考にするようになっている点です。ストリート由来のプロポーションバランスやレイヤードではなく、ウィメンズのように柔らかな素材のインナーやスカートのようにフリュイドなボトムスでジャケットスタイルを更新しているのです。下のリンクで紹介する「ディオール(DIOR)」が代表例でしょう。
一方で忘れてはいけないのは、デザイナーたちのメッセージは「メンズは、ウィメンズを参考にすべき」ではなく、「メンズは、ウィメンズを参考にしても良い」であることです。以前もお話しましたが、我々は真面目なせいか、社会課題にまつわる新しい価値観が一定の支持を集めると、この価値観を「新しい選択肢」ではなく「新しい正解」と捉えてしまいがち。この場合、男性らしいメンズを否定しないように気をつけなければなりません。
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