花王が擁する乾燥性敏感肌に着目したスキンケアブランド「キュレル(CUREL)」は4月4日、肌上に極薄ヴェールをつくる化粧液“着る角層ケア”(カートリッジ、6600円)と専用機器“ヴェールクリエイター”(2万9700円)を発売する。花王の公式EC「My Kao Mall」で取り扱い、ブランド初のサブスクリプションサービス(月額3980円〜)も開始する。今後、中華圏をはじめ海外での販売も視野に入れる。
同商品は2018年に発表した“第二の皮膚を形成する”ファインファイバー技術(積層型極薄膜形成技術)を応用。ヴェールのもととなる化粧液を専用機器で肌にふきつけると、極細繊維から保湿成分がしみ出す「ブリードアウト技術」を新たに開発した。繊維の隙間が保湿成分で満たされた「まるでもう1枚の肌のようなつくりたての“生ヴェール”」が肌に密着して一体化する。ナイトケアとして提案し、寝ている間も長時間角層に潤いをとどめ続け、翌朝までもっちりとしたハリのある滑らかな肌に導く。
サブスクは、専用機器と化粧液をセットにしたベーシックコース(3980円)と、2品と合わせて毎月同ブランドの化粧品1品を届けるプレミアムコース(5980円)の2コースを用意する。また、ラインと連動し、使い方のサポートや肌変化を記録するサービスも開始する。
なお、19年から「エスト」「センサイ」で展開する同技術を応用した“バイオミメシス ヴェール”シリーズは、23年末に高性能小型ディフューザーの販売を終了し、その他商品は26年12月31日まで販売を継続する。
ファインファイバー技術を
「キュレル」で採用した理由
ファインバー技術は、化粧品用のポリマー溶液を専用の機器で肌に噴射することで、肌表面に極細繊維で積層型の極薄膜を形成する技術。商品化したアイテムを「エスト」と「センサイ」で販売してきたが、「当初のターゲットは美容感度の高いお客さまを想定していたが、客層が広がらなかったため販売終了を決断した。一方で、愛用されている顧客の中には乾燥性敏感肌のお客さまがいることが分かった。お客さまの満足度が非常に高かったので、『キュレル』で新たな事業として展開することになった」(山口聡一 花王 化粧品事業部門 グローバルリーディングビジネスグループ長)と話す。
「キュレル」は、花王の化粧品事業の中で“ファーストランナーブランド”の1つとして位置づけ、グローバル化の基盤づくりを推し進めている。敏感肌市場は1200億円規模(22年インテージ調べ)と年々拡大し、「キュレル」も右肩上がりで成長。30年までに売上高を現状の1.3倍と目標を掲げ、海外売上比率を50%に高める方針だ。「世界一、乾燥性敏感肌に向き合うブランドを目指していく」と意気込む。