「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、X(旧Twitter)やFacebook、Instagram、TikTok、そしてThreadsをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。76回目は、ニューヨーク・ファッション・ウイークでバズった、アドビ(ADOBE)と米ブランドのコラボから、ファッションとテクノロジーの関係を考える。
ソーシャルエディター津田:ニューヨーク・ファッション・ウイークでは、「クリスチャン コーワン(CHRISTIAN COWAN)」と、フォトショップ(Photoshop)やイラストレーター(Illustrator)を展開するソフトウェア企業のアドビ(ADOBE)が共同開発した、色が変わるドレスがSNS上で話題になりました。ボタン操作で色が変化するハイテク素材のモジュール"Project Primrose”が色を変えるだけでなく模様を動かし、その集合体で作る洋服の見た目が変わるんです。アドビはインスタグラムでドレス制作の過程を紹介していますが、ドレスは2カ月で開発したそう。短期間で生み出されたことも、驚きのひとつです。アドビのハイテク素材開発も珍しいし、服もハイテク素材も好きな僕はファッションとテクノロジーの融合に心が躍りました。ハイテク素材のクチュールドレスをランウエイでみる機会は、これからどんどん増えそうです。
記者村上:コンサバと言われるなら甘んじて受け入れますが、こうしたファッションとテクノロジーの融合って“飛び道具”で終わりがちですよね。例えば「コペルニ(COPERNI)」は2023年春夏、マネル・トレス(Manel Torres)博士が開発した、即座に乾燥して不織布の層になる繊維素材入りの溶液をモデルのベラ・ハディッド(Bella Hadid)に吹きつけ、ボディコンドレスを“着せて”バズりましたが、その後、この技術が普及した形跡はありません。「コペルニ」さえ次のシーズン以降、この技術を使って何かを開発しているフシはないですよね。
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