X JAPANのYOSHIKIはミラノ・ファッション・ウイーク中の2月20日(現地時間)に、ウィメンズブランド「メゾン ヨシキ パリ(MAISON YOSHIKI PARIS)」のデビューショーを開催した。黒を基調にしながらサテンやベルベッドなどの素材使いで艶やかに仕上げた全37ルックは、YOSHIKIが「フェミニンかつジェンダーレス、華やかでありながら反抗的」と語る自身の世界観を映し出した。
ファーストルックは、大きな襟が存在感を放つクロップド丈のジャケットとラップスカートのセットアップ。起毛感のある素材とシルバーの留め具がグラマラスな印象を引き立てながら、足元は「グラウンズ(GROUNDS)」とのコラボスニーカーを合わせてリアルなスタイリングに落とし込んだ。タイトなロングドレスの首元や腕に合わせた刺々しいアクセサリーはロックを語る。「コレクションにおいて特に重要な役割を担った」というデニムのジャケットには、X JAPANを象徴する赤で画家のジャクソン・ポロック(Jackson Pollock)にインスパイアされたペイントを施した。序盤から羽のように広がるショルダーや顔が隠れるほど高い襟など構築的なシルエットが続き、「メゾン ヨシキ パリ」の美学を惜しみなく表現した。
フィナーレではYOSHIKIが登場し、ランウエイに置かれたクリスタルのグランドピアノでプッチーニのオペラ「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」と、藤原ヒロシとコラボした新曲をパフォーマンスした。
ショーを終えたYOSHIKIはバックステージで、「呉服屋の息子として生まれ、クラシック音楽など西洋の文化に触れながら育った身として、いちから美しいファッションを作り上げてみたかった」と立ち上げ経緯について語った。
デベロップメント・ディレクターを務めるクキ・ドゥ・サルヴェルトゥ(Kuki de Salvertes)を筆頭に、パリを拠点とするチームが制作を手掛けた。サルヴェルトゥは「ヴィヴィアン・ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)」や「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」など多くのデザイナーとタッグを組んできた人物だ。スタイリングは、カーリーン・サーフ・ドゥ・ドゥズィール(Carlyne Cerf de Dudzeele)。YOSHIKIは「最高のチームで、彼らからは一切妥協しない大切さを学んだ」と話す。
「今後はシーズンごとに、サングラスやアンダーウエアなど、ラインアップを拡大していき、みなさんの要望にできるだけ応えたい」と話し、フランスのクリスタルメーカー「バカラ(BACCARAT)」と協業したワイングラスなども近日発表予定だという。
ミラノ・ファッション・ウイーク中は、さまざまなブランドのコレクションに姿をみせ、デザイナーらとの交流を深めた。ミュージシャン、デザイナー、映画監督としての顔をもつYOSHIKIのクリエイティビティーは、今後さらにさまざまな分野に発展していきそうだ。