「パリ国際ランジェリー展(SALON INTERNATIONAL DE LA LINGERIE)」が1月20〜22日、フランス・パリのポルト ド ベルサイユ見本市会場で開催された。同展には、下着、水着、ラウンジウエア、アクティブウエア、靴下などを扱う約260ブランドが世界から出展した。来場者は106の国と地域から1万6000人以上で、昨年から800人程度増加した。内訳は38%がフランス国内、62%はフランス国外からの来場。フランス国外からの入場者国別ランキングでは1位がベルギー、2位がイタリア、3位がドイツとヨーロッパ勢が上位を占め、6位にアメリカがランクイン。日本は10位で、韓国が11位だった。フランス国外からの入場者数比率は、ほぼコロナ禍前に戻った。会場では1日3回、テーマの異なるランジェリーショーが催され、最終日まで立ち見が出るほどの賑わいだった。トレンドセミナーにも多くの来場者が参加し、会場内から1日4回ポッドキャストが配信されるなど、様々なコンテンツが用意された。
「パリ国際ランジェリー展」は今年、60周年を迎えた。それを記念して、初日20日の閉展後にランジェリーショーが催された。下着の歴史を振り返るもので、1920年代のガーター付きボトムから下着と服がボーダーレス化している現代のスタイルまで、貴重なアーカイブアイテムによって構成された。ショー後はパーティーも開催された。
日本からは2ブランドが出展
日本からは、「アロマティック(AROMATIQUE)」と「スール トーキョー(SOEUR TOKYO)」の2ブランドが出展した。どちらも今回が初出展で、気鋭の注目ブランドを集積するエクスポーズドのエリアにブースを設けた。
「アロマティック」は1930年創業の老舗下着メーカーであるタカギが2014年にスタートしたブランドで、上質な天然素材とレースを用いたインナーを展開。同展では、定番商品のほか、イギリス発「ノブレス・オブリージュ(NOBLESSE OBLIGE)」のデザイナーであるイゴール・パチェムスキーと協業したラインを発表した。「アロマティック」を代表するシルクアコーディオン素材を用いたエッジのきいたデザインが特徴だ。タカギの髙木麻衣社長は「イゴールと弊社のデザイナーがミーティングを重ねて完成させたコレクション。日本のモノづくりを海外に発信したい。今回の出展がその足掛かりになれば」とコメント。イゴールは「『アロマティック』の商品には、代々受け継がれた技術が反映されている。ミニマルなラグジュアリーを体現する丁寧なモノ作りに共感しコラボした」と話した。
「スール トーキョー」は、デザイナー兼クリエイティブディレクターのサクラが、パリの服飾専門学校フォルマモード卒業後、21年にスタート。“ランジェリーでも洋服でもないウエア”がコンセプトだ。同展では、擬人化したコケティッシュとデカダンスの出合いから変化する女性の物語をテーマにしたコレクションを発表した。染色も縫製も自社アトリエで行うアイテムで構成する独自のレイヤードスタイルで世界観を表現した。