日本パブリックリレーションズ協会が2年おきに実施している「PR業実態調査」の2023年の発表によると、22年度のPR業全体の売上高は推計で約1479億円となり、コロナ禍の20年度比で33.1%増、コロナ禍以前の18年度比で14.7%増とPR市場は拡大傾向にある。調査項目の「広報・PR業務の取り扱いアイテム」では、前回調査と比べて伸びが大きかったのが「一般消費者向けイベントの企画・運営」「ブランディング業務」で、反対に従来の「パブリシティ企画・実施」「マーケティング調査」などは低下傾向だった。PR業代行会社に求められるサービスは目まぐるしく変化しており、各社が強みを磨きユニークなPR支援メニューを開発している。(この記事は「WWDJAPAN」2024年2月26日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
メディアが多様化しPR業務は増加の一途
本特集で「WWDBEAUTY」が化粧品会社を対象にアンケート調査を行ったところ、PR業務で抱えている課題として「消費者が接するメディアが多様化し業務が増加」「丁寧なコミュニケーションを取りたいがマンパワーと時間が足りない」「キャリアのあるインハウスPRの独立が年々増え、社内にメディアリレーションやPR活動のノウハウを持つ人材が減っている」などの悩みが上がった。加えて、PR業務の外注を検討している企業からは「自社に合ったPR会社が分からない」「限られた予算で効果を最大化したい」といった声が聞かれ、PR業務を委託する側も試行錯誤している様子が浮かび上がった。
化粧品ブランドがPR会社選びで重視するポイントは?
前述の化粧品会社へのアンケート調査では、総合PR会社、特定の分野やサービスに特化した専門PR会社、フリーランスPRに分けて、委託先に選ぶポイントをヒアリング。PR業務を外注したことがある39ブランドから回答を得た。その結果、総合PR会社には幅広い業種のクライアントを抱えリソースが豊富だからこそ可能な「多角的な提案」を期待し、専門PR会社には「予算に合った提案」に加えて「メディアとの関係構築」「商品やマーケットの専門知識」といったより特殊性の高いソリューションを求め、フリーランスには個人に帰属するコネクションを生かした「メディアとの関係性構築」を望んでいることが分かった。こうした背景から、多くの化粧品会社が複数のPR会社と契約し、内製が難しい領域を外注によりカバーしている。
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