2024-25年秋冬パリ・ファッション・ウイークの現地リポートを担当するのは、コレクション取材20年超のベテラン向千鶴・編集統括兼サステナビリティ・ディレクターと、ドイツ在住でヨーロッパのファッション事情にも詳しい藪野淳・欧州通信員。朝から晩までパリの街を駆け巡り、新作解説からユニークな演出、セレブに沸く現場の臨場感までを総力でリポートします。今回は、「ロエベ(LOEWE)」や「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」「ニナ リッチ(NINA RICCI)」「ヴェトモン(VETEMENTS)」「レオナール(LEONARD)」のショーから「ジバンシィ(GIVENCHY)」と「クロエ(CHLOE)」の新作アクセサリーまでをお届け!
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3月1日 10:00「レオナール」
渋滞に巻き込まれるのはパリコレの常ですが、今朝も酷かった!朝一の「レオナール」にギリギリ駆け込むも、ランウエイを横切り自席へ向かうことは許されず(当たり前)、入り口から見ることに。
南米を旅するパリジェンヌをイメージしたという今シーズン。サテン糸でアステカ風の刺繍が施されたウール地のコートが象徴的です。主人公は“本来の魅力を保ちながら、現地のスタイルに順応している”逞しい女性とのことで、色柄使いも大胆。シグニチャーであるプリントはマヤの大地を想起させる温かみのある色や、サボテン柄などが続きます。メキシコやペルーの民族衣装の要素を取り込んでフォリュイドなドレスやブラウスはパフスリーブでドラマチック。
10:20「ジバンシィ」展示会
渋滞にハマり時間がなくなったため、二手に分かれて「ジバンシィ」のサロンへ。デザインのディテールやアクセサリーをチェックします。現在はクリエイティブ・ディレクターが不在なので、新たなアクセサリーの提案は控えめ。マシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M Williams)時代に登場した“ヴォワイユー”には、可愛らしいプチサイズや特徴的なベルト&バックルの数を増やしたモデルが登場しました。そのほかは、アーカイブから着想した”パンプキン”バッグ、リカルド・ティッシ(Riccardo Tisci)時代に生まれたデザインをアップデートした“アンティゴナ キューブ”など。そろそろ次のクリエイティブ・ディレクターが発表されるのでは?と思っているので、来シーズンは新しいデザインがたくさん見られるかもしれませんね。
11:30「ロエベ」
本日の目玉、「ロエベ」のお時間です。最近の定番となっている会場のヴァンセンヌ城は市内からはかなり遠いので、余裕を持って移動開始。それでも途中で渋滞しだすと、一気に焦り出します。今回のショーには、エスパ(aespa)のジゼル(Giselle)やストレイキッズ(Stray Kids)のスンミンが来るとの事前情報。会場が遠いゆえ、セレブリティーも余裕を持って早めに会場入りしていたようで、到着時にはすでにスンミンの周りはごった返していました。でも、ジゼルにはしっかりコメントをもらいました。WWDJAPANのSNSにアップされていますので、ご覧ください!そのほか、メグ・ライアン(Meg Ryan)やショーン・メンデス(Shawn Mendes)など、世界からバラエティーに富んだゲストが来場していて華やかです。
会場はいつもと同じ大きな四角い特設テントですが、今回はいくつもの壁で仕切られた迷路のようになっていて異なる印象。ゲストの大半がフロントローという作りです。3色の緑に塗られた壁には、アメリカ人画家アルバート・ヨーク(Albert York)によるのどかな風景や日常的なモチーフを描いた小さな絵画が飾られています。「出発点は、インテリアについて何かをやりたいという思いと随分前に見たアルバートの展覧会。そこで彼が行った黒い額縁に作品を収めるというアイデアは何かを覗き込む窓のようでとても気に入り、リサーチを進めていく上でジャクリーン・ケネディ(Jacqueline Kennedy)が彼の作品を収集していたことも分かった。そこから、“由緒”というアイデアや、なぜ私たちはモノを買いモノは意味を持つのか、チッペンデールチェア、自分たちが経験したことのない世界を覗き見る部外者というアイデアなどを探求した」とジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)。そんな今季は、階級や貴族性を再考し、英国の上流階級の装いやその邸宅にあるようなインテリアの要素をウィットに富んだデザインで服やアクセサリーに落とし込みました。
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