浅野撚糸とテキスタイルデザイナーの梶原加奈子氏の率いるカジハラデザインスタジオ(KAJIHARA DESIGN STUDIO)、矢橋ホールディングスの三社はこのほど、日本のテキスタイルと文化を発信するサロン型ストア「スーパーゼロラボ(SUPER ZERO Lab)」を東京南青山にオープンした。
100平方メートルの空間には、販売エリア、ショールームエリア、イベントエリアを設ける。販売エリアでは、浅野撚糸が特殊撚糸工法で製造した「スーパーゼロ(SUPER ZERO)」糸を使用した製品や、矢橋工房の漆器、無農薬食品などを取り扱う。ショールームでは「スーパーゼロ」の糸や生地、日本建築の伝統技法や工芸品を展示し、商談や勉強会の場所としても活用。イベントエリアは、工芸品やファクトリーブランドの期間限定販売会、アート展などを実施し、地域創生への貢献を目指す。
内装には端材や廃材を使用した木工家具など
店内の内装はスイスの建築事務所ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)出身でANY代表の高橋真人氏が手がけた。聚楽壁や畳什器など日本の職人の手仕事と、端材や廃材を使用した木工家具などを取り入れ、和の温もりと現代的な洗練との調和を演出している。
試着室の壁面材料やクッションには、廃棄素材の再利用を推進するプラットフォーム「リドウ(REDOW)」のヴィーガンレザーを使用。また下げ札やショッパーなどの販促ツールには一般社団法人サーキュラーコットンファクトリーが提供するサーキュラーコットンペーパーを使用している。オープン後も、廃棄衣料品の回収プロジェクトなど、環境に配慮した取り組みを行っていく予定だ。
また「スーパーゼロラボ」のオープンと同時に、アパレルブランド「ASANO KANAKO KAJIHARA」も始動した。国内繊維工場とのコラボ開発を強化し、「スーパーゼロ」を使用した上質なストールやタオル、アパレル製品などを展開する。スパイバー(SPIBER)の人工タンパク質素材「ブリュード・プロテイン(BREWED PROTEIN)」と「スーパーゼロ」の撚糸を組み合わせた新技術による製品開発にも挑戦している。
商品の製造情報は、設置された二次元コードをスキャンすることで、日本語のほか、英語と中国語でも閲覧可能にした。日本の文化や地域を紹介することで、国際的な交流の場としての機能を強化し、海外からのインバウンド需要に応える。