マンダムは3月1日、メンズスタイリングに特化した美容家電ブランド「イウム(IUM)」を立ち上げ、“ヘアドライヤー”(8800円※編集部調べ、以下同)、“ストレートアイロン”(6600円)、“マルチトリマー”(6600円)を発売した。全国のドン・キホーテ系列店舗(一部店舗を除く)と楽天市場で先行販売する。
背景には男性の美容意識の高まり
マンダムは「ギャツビー(GATSBY)」や「ルシード(LUCIDO)」などメンズスタイリング剤を数多く手掛けきた。初となる美容家電ブランド立ち上げの背景には、男性の美容意識の高まりがある。「イウム」開発担当者⼩坂洋介氏は「ただし、男性と親和性の高いヘアアイロンでさえ使用率は10%未満(同社調べ)だ。必要以上に美容にこだわるのは恥ずかしいという声や、女性向けの商品が多い現状を踏まえ、男性の手に取りやすさと使いやすさを考えて開発した」と話す。メインターゲットは大学生や20代前半の若年男性で、黒を基調にしたデザインや液晶ディスプレイを配置するなど、“ギア”や“ガジェット”を連想するアイテムに仕上げた。
トレンド感のあるへスタイリングに特化した家電
“ヘアドライヤー”は風量と5段階の温度を自由に調整できる。癖づけをしたい時には風量と温度を高くしたり、ダメージ毛には温度を低く設定したりなど、自分好みにアレンジ可能だ。マイナスイオン機能も搭載する。“ストレートアイロン”は15mm幅の細いプレートが特徴で、通常のアイロンよりも短い毛にウェーブをつけやすい。アイロンの外側には耐熱フェルトカバーすることで、顔まわりの火傷を防ぐ設計だ。さらにツーブロックのメンテナンスや全身の毛の処理にも使用できる“マルチトリマー”もそろえる。刈り上げ部分を調整できる3mmごとのアタッチメントや、近年クリニックへ脱毛に通う男性が増えていることからVIO用のアタッチメントも付属する。
ドンキでもメンズ美容家電は急成長カテゴリー
ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの川上知大PB企画開発サブマネージャーは、同店と「イウム」の親和性を強調した。「『ドン・キホーテ』では美容カテゴリーの全体売り上げと比較して、男性用美容家電が120%増で伸長している」と話し、その中でも男性用グルーミングは150%増で、脱毛に通う男性のニーズを象徴する。元々マンダムのスタイリング剤の売り上げが高かったことに加え、同社が運営する電子マネー「マジカカード」の会員は1300万人のうち4割が男性だったことも、導入を後押しした。「イウム」の販売により、他店より男性比率が高いアドバンテージを生かし、差別化を図る狙いだ。既に約460店舗が取り扱いを決め、北海道では「ギャツビー」の人気スタイリング剤“ムービングラバー”と並列で展開して訴求する計画も進んでいるという。