主要百貨店の2024年2月度月次速報が出そろった。中国では、訪日団体旅行が4年ぶりに全面解禁された春節(10〜17日の大型連休)を迎え、各社の免税売上高を大きく押し上げた。
春節の恩恵を受けたのは主に都心の店舗。三越伊勢丹は前年同月比17.3%増。うち基幹3店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)の免税売上高は平均して同2.4倍、三越銀座店単体では同3.4倍だった。訪日客の関心は高額品に集中し、「ラグジュアリーバッグや財布、宝飾、時計、化粧品などの高付加価値商品への関心が高かった」(三越伊勢丹)。松屋の松屋銀座本店は、前年同月比35.6%増と大きく伸ばした。免税売上高が同2.7倍とけん引し、同店の売上高における免税のシェアは47%に達した。訪日客の購買動向は三越伊勢丹と同様の傾向で、ラグジュアリーブランドが同65%増、化粧品が同46%増、時計が同2.3倍だった。
阪急本店はバレンタイン催事も過去最高
大丸松坂屋百貨店は免税売上高が前年同月比3.3倍。訪日客割合の大きい大丸心斎橋店の売上高は同46%増と高伸長。阪急阪神百貨店の阪急本店は同32.5%増で、免税売上高は単月過去最高を更新した。また、バレンタイン商戦も日本トップクラスのにぎわいを誇る阪急本店は、催事期間中のチョコレート売上高が31億円と、こちらも過去最高となった。