「無印良品」を運営する良品計画は、長崎県・対馬に売り場面積500坪(1650平方メートル)の店舗を12日に開く。玄界灘に浮かぶ対馬は過疎化と高齢化が進み、スーパーマーケットやドラックストアはあるものの、衣料品や家具を購入できる店舗は少ない。衣食住のアイテムを豊富にそろえる「無印良品」の出店で、買い物の選択肢が少ない住民の不便を解消する。
対馬は九州と朝鮮半島の間に浮かぶ離島。島全体を占める対馬市の人口は、1980年の約5万人に対し、2020年には約2万8000人まで減っている。買い物する店が少ないため、住民は通販を利用したり、飛行機で30分・フェリーで4時間半かかる福岡市などに出た際に欲しいものを購入したりと、不便を強いられてきた。
事業ビジョンとして「地域課題の解決」を掲げる「無印良品」は、これまでも新潟県や山形県などの山間部で日常の買い物に困っているエリアにバスを走らせ、食品や日用品、衣料品を移動販売したりしてきた。対馬では食品スーパー「サイキバリュー美津島店」の2階に出店し、日用品・収納用品や衣料品など、日常生活の基本を支える商品を取りそろえる。広い売り場を生かして、ベッドやソファ、テーブルも置く。キッズスペースなど、地域住民が買い物の間に交流できる場にする。また、対馬は韓国からの観光客が多いため、売り場にはハングル表記も取り入れる。