機能と情緒は両立するのか?永遠の命題と捉えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
機能を徹底的に追究しているブランドとして業界人からの評価が高いのは、「アークテリクス(ARC'TERYX)」のトップファッションライン「ヴェイランス」でしょう。上の記事にある通り、このラインが目指すのは、究極のプロダクト力。「機能OR情緒?」という二択を迫られたら、きっと「機能」と答えるんでしょうね。そう考えると尚更、機能と情緒は両立するのだろうか?そんな疑問が頭をよぎります。
そんなことを考える私に、「両立する」と教えてくれたブランドがあります。「オニツカタイガー(ONITSUKA TIGER)」です。ご存じ「オニツカタイガー」は近年、ミラノ・ファッション・ウイークに参戦。この世界では、プロダクト力はもちろんですが、情緒的な価値がなければ戦っていけません。長らく走る時の機能を追い続けてきたブランドが、ファッションの世界で、情緒的な価値を身につけ発信するのは簡単ではありませんが、ブランドをけん引する庄田良二グローバルカンパニー長は、「オニツカタイガー」は機能の中でも特に「軽さ」を追い続けることでエモくなろうとしています。なぜ、軽いとエモくなれるのか?そう聞くと、庄田さんは、こう教えてくれました。
「『軽い』と、何度も着たくなる。何度も着れば、自然と愛着が湧くはずだ」。
なるほど、その通りです。何度も着ると、「他に、どうやって着まわせるだろう?」などを考えることでしょう。すると「あ、こんな風にも着られる」なんて発見があるのでは?そんな発見を繰り返すと、いつの間にかプロダクト、最終的にはブランドに思い入れを抱くという理論は、確かに通用しそうです。
機能的だから何度も着たくなる、その先には何が?
こんな思考が、機能と情緒の両立には役立ちそうな気がします。
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