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新体操日本代表「フェアリージャパン」メイクの裏側 2024年版は日本美表現で五輪目指す

ポーラが新体操団体日本代表(フェアリージャパンPOLA、以下フェアリージャパン)の2024年メイクアップを発表した。同社は07年8月から新体操ナショナル選抜団体チームのオフィシャルスポンサーとなりチームも「フェアリージャパンPOLA」として始動。14年8月からは個人選手もサポートし、17年は世界選手権で42年振りの団体メダルを、19年には過去最高タイの団体銀メダルと種目別のボールで初の金メダルを獲得するなど、メンバーを入れ替えながら進化を続けるチームをメイクアップ面で支えている。表現力や芸術性を支える競技メイクは色鮮やかにくっきりと描くことが多いが、意外にも市販のメイクアップ品も使用。研究開発に力を入れるポーラならではの取り組みにも積極的だ。

24年新メイクは白&黒&赤色で日本美を表現

フェアリージャパンの2024年メイクは日本の美をテーマにした「ジャパニーズ ビューティ 月白(つきしろ)メーク」。黄色や青色、ピンクといったビビッドなカラーはあえて使わず、日本古来から伝わる化粧の色味である白、黒、赤のみを用いて日本美と力強さを表現した。メイク名に含まれている“月白”は月が東の空に昇る時に空が明るく白んでいく様子を表す言葉で、「夜空を明るく照らす月のように、新体操を通して周囲を明るく照らす存在に」という思いを込め選手たちが名付けたという。

新メイクのポイントは目の中央から描き、目尻部分は跳ね上げているホワイトカラーのアイラインだ。15メートル先の審判席から見ても目力と立体感が伝わるようにと、フェアリージャパンのメイクでは初めて採用した。アイカラーはシルバーとゴールドのラメを高配合したもので、黒のアイカラーを目尻に、ラメのアイカラーを目頭に塗布してクールさと華やかな印象を両立させている。白色のアイライナーと黒色のアイカラーが重なることで薄い青みを帯びた月白色になるため、澄んだ白目が演出できる点も魅力だ。

チークは肌の透明感を引き立てる青みを帯びたプラムカラーを取り入れ、こめかみから頬骨に沿って内側に塗布することで立体感を演出。衣装とメイクを繋ぐ役割のあるリップは、衣装に合わせて変えられるよう深みのあるクールな印象のチェリーレッドと、茜色をイメージしたパールを効かせた華やかな印象のパールレッドの2色を用意している。

汗や動きに強い競技メイク ベースメイクは「B.A.」を使用

異次元の柔軟性や跳躍力を見せる新体操は日常とは異なる動きに加え、団体は2分15〜30秒、個人は1分15~30秒の間に全力で力を出し切るため、色味以外にも耐久性や耐水性が重要になる。今回のベースメイクやマスカラ、アイブローは「B.A.」のアイテムを使用。汗や皮脂に強く、艶やかな素肌を作るブランドの強みを競技メイクにも活かした。

カラーアイテムはポーラ・オルビスグループの研究開発を担うポーラ化成工業の研究員や、フェアリージャパンのビューティサポート活動を担う8人の美容コーチが、選手たちと相談して作り上げた特別品だ。選手の希望や衣装、演技の内容、時代のトレンドに合わせて美容コーチが考案したメイクパターンをもとに、それに合うアイテムとなるよう打ち合わせや試作を重ねて専用コスメを毎年作成している。日常とは次元の異なる耐久性や耐水性に加え、審査員や観客が遠くから見てもわかるように発色やラメ感を調整した、新体操競技のためのコスメだ。

8人の美容コーチが素肌管理からメイク技術までサポート

メイクアップは土台となる素肌も重要だ。メイクパターンや専用製品の開発に携わる8人の美容コーチは、選手一人ひとりの肌状態を定期的に分析してカウンセリングを行い、それぞれの肌に合わせて選んだスキンケア製品を提供。スキンケアの方法や美容法をレクチャーし、競技当日に万全の状態でいるためのサポートも行っている。

ほか、競技時は自分たちでメイクアップを行う必要があるため、メイクの講習会も実施して選手が自分自身で競技メイクを完成させられるように指導をする。個々の顔立ちに合わせてハイライトやシェードを入れるなどのポイントメイクも伝授し、全員で統一感のある雰囲気を作り上げている。

今年はパリ五輪の年だが、フェアリージャパンは昨年行われた世界選手権で団体総合の出場枠を勝ち取ることができなかったため、今年5月に行われるアジア選手権で滑り込みの獲得を目指している。新メイクでさらに輝き、五輪への切符を手に入れるか注目だ。

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