ファッション

10周年「ミラ オーウェン」 ディレクターが語る“ロープライス・ラグジュアリー”への手ごたえ

マッシュスタイルラボの「ミラ オーウェン(MILA OWEN)」は、2月28日でブランドスタートから10周年を迎えた。3月初旬にかけて、ルミネ新宿2店とルクア大阪店、ルミネ池袋店を順次改装オープン。改装初日は、ルミネ新宿2店(2月28日)、ルクア大阪(3月1日)が売上高1000万円を超え、ブランドにおける店舗の単日売上高記録を更新した。

両店の売り上げをけん引した商品の一つがブランド定番のアンサンブルニット。高級感のあるイタリア製生地を使用し、半袖セーターとカーディガンのセットで1万円という値ごろ感が人気だ。10周年に合わせ、これまで同商品では提案してこなかったパステルトーンのスカイブルーやイエロー、ビビッドなグリーン、ピンクなど10色で展開した。長袖カットソーとハイネックニットベストのセット(1万2980円)、胸にワンポイントロゴを刺しゅうしたスエット(9460円)も、着回ししやすいデザインや春らしいカラーリングが好評だった。

原価高騰が続く中でも、「服を着て値札を見たお客さまに、必ず驚いていただけるようなお値打ち感」(井木秀香ディレクター)にこだわってきた。商品企画段階では、井木ディレクター自ら毎シーズン、全てのサンプルに袖を通した上でメンバーと詳細を詰める。「もっとディテールを盛り込んだ方がいいんじゃないか。でも1万円を切る価格で提供できるなら、そのままの方がお客さまにとってハッピーじゃないか。そんなふうにあれこれ意見を出し合っている。お客さまと同じ目線に立って、リアルに欲しいと思える素材とデザイン、価格を天秤にかけて考えることが何より大事」。

時代と共に変化する
女性のリアルな消費に寄り添う

ブランドは立ち上げからの10年間、コロナ禍の期間を除けば順調に成長してきた。 23年8月期売上高は前期比22%増と大きく復調し、ブランドとして売上高100億円を初めて突破した。井木ディレクターは「時代とともに女性のお金の使い道は服以外にどんどん広がっている。私たちの(値ごろ感と高級感を両立する)“ロープライス・ラグジュアリー”のコンセプトが、時代のリアルな感覚にフィットしてきた」と手ごたえを話す。

秋冬にかけて、デニムの品質にこだわった特別なコレクションや仏ブランドとのコラボといった10周年企画が控える。「今後も『これなら挑戦してみたい』と思えるような、ブランドらしい“一歩先”の提案でお客さまを楽しませられたら」と先を見据える。

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