「サカイ(SACAI)」は3月4日(現地時間)、パリで2024-25年秋冬コレクションを発表した。雨模様が続いた今季のパリコレで久々の晴れ間を見せたショー当日、会場はシャツとデニムジャケット、ボンバージャケットといった定番アイテムをまとった来場者で賑わった。しかし、それらはコクーンやバルーン、ドロップウエストの円形パターンで形成され、常に新たなシルエットを探求する阿部千登勢デザイナーの独創性に富んだアイデアを物語っていた。これら、見慣れたウエアの中に新しさを追求した同ブランドの24年春夏コレクションは、「The more simple we are, the more complete we become.(シンプルになればなるほど、私たちはより完全になる)」という彫刻家オーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)の思想から着想を得たもの。来場者もシンプルに徹して、比較的落ち着いたカラーでモチーフは控えめだ。大ぶりなチェーンネックレスで胸元を飾り、足元はシグネチャーとして定着している厚底ブーツで、「サカイ」らしいスタイリングとバランスを取り入れていた。