オーガニック・ナチュラルコスメは限られた資源(植物)を原料とするため、高価格帯になりがちで継続して使用するのが難しいとされてきました。そんな中で、ドラッグストアを主戦場に手に届きやすい価格でオーガニック商品を展開し、オーガニック・ナチュラルコスメの裾野を広げたいという動きが10年ほど前にありました。“バリューオーガニック”と呼ばれ、該当ブランドも少しずつ増えていました。その代表格がマツモトキヨシのオリジナルブランド「アルジェラン(ARGELAN)」で、シャンプー&コンディショナーを1500円程度で販売し、売り場の目立つ位置にあり、その動向に注目が集まっていました。ヘアケアだけでなくオーガニック認証を取得したスキンケアやカラーリップなどアイテムが広がり、中でもカラーリップは完売状態が続くなど好調に推移し、ベストコスメを受賞するなど勢いがありました。
当時、「アルジェラン」の商品開発・製造を担当するカラーズの社長が、「ドラッグストアにオーガニック・ナチュラル商品の棚ができれば成果を出せたと言えるだろう」と話していたのが印象に残っています。現在、売り場を見るとオーガニック・ナチュラルの棚はなくとも、それらの商品が増えたと実感できます。特に生理用ナプキンは顕著です。これまでは、オーガニック・ナチュラル業界では、石油化合物の吸収性ポリマーが使われている生理用ナプキンは経血を吸収すると体を冷やすため避けた方がよいと言われていました。しかし大手企業が市場シェアを獲得しているためオーガニック・ナチュラルな生理用ナプキンの普及は難しいと諦めムードでした。今は大手企業がオーガニックの生理用ナプキンを展開し、棚の大半を占めています。
上記の記事を見て、“バリューオーガニック”を思い出したのですが、ドラッグストアで1500円程度のヘアケアは今、活気づいています。価格の壁がなくなっている今、地球や人に優しいオーガニック・ナチュラルのヘアケアやスキンケアなどが再度台頭するチャンスなのではないでしょうか。もちろん1社では成し遂げるのは困難です。同業者や異業種とのタッグでそれをかなえてほしい、そう願っています。
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