「ベイプ」が「ナイキ」のスニーカー“エア フォース1”をコピーしているという疑惑は09年に浮上したが、21年以前まで「ベイプ」の侵害製品は少量だったことからも訴えることはしなかったという。21年以降、米国における「ベイプ」の存在感が高まり始め、ナイキのビジネスにとって大きな脅威となったと主張する。ナイキは訴訟に先立ち、「ベイプ」に対して侵害品とされる製品の生産を中止するよう求めたが、「ベイプ」側が「これを拒絶した」ため、訴訟提起に至ったという。問題が顕在化してから訴訟提起までに期間があいたことについて、米フォーダム(FORDHAM)大学の教授でファッションローに詳しいスーザン・スキャフィディ(Suzan Scafidi)は、訴訟が進むにつれ、「『ナイキ』が10年以上前に『ベイプ』を訴えず、『ベイプ』による『ナイキ』の模倣頻度と量が増えるまで待ったという事実が、裁判の結果にどのような影響を及ぼすかも、他のブランドオーナーたちは注目するだろう」と推測した。