「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」が実物の商品やさまざまな特典と紐づいたNFTの“タビブーツ”、“メタ タビ(MetaTABI)”を発売する。
“メタ タビ”には15足のみの超限定発売となるホワイトバージョンと、1500足限定のブラックバージョンの2型があり、どちらもバーチャルファッション・プラットフォーム「ファブリカント(THE FABRICANT)」で販売する。価格は非公表で、多くのNFTと同様に仮想通貨のイーサリアム(ETH)のメインネット上で展開する。
ホワイトの“メタ タビ”には実物の靴、ブラックには財布を付属する。これらの実物アイテムとのペアリングはもちろん、ARツール、メタバースワールド、そしてさまざまなゲームと連動したバーチャルな機能や体験も提供する。保有者は「メゾン マルジェラ」が今後メタバース上で発表するコレクションにいち早くアクセスできる。
先行発売は、フランス時間の3月26日18時(日本時間27日2時)で、ブランドの主要顧客、「ファブリカント」のコミュニティーメンバー、「メゾン マルジェラ」のWeb3.0ゲームを通じてトークンを確保したプレイヤーが対象となる。一般発売は、その14時間後の27日8時(日本時間27日16時)。
ラグジュアリー業界も模索するデジタルの可能性
「メゾン マルジェラ」のステファノ・ロッソ(Stefano Rosso)会長は、「テクノロジーが現実世界とどんどん融合していく今、デジタル領域で実験し、可能性を探ることはラグジュアリー業界にとっても必要不可欠。イノベーションで業界を発展させ、ブランドのアイデンティティをさらに表現していく。こうしてブランド初となるWeb3.0を使ったプロジェクトを立ち上げることができ、とても嬉しく思う」と語った。
ロッソ会長は、「メゾン マルジェラ」を擁するインターナショナル・ファッション・グループ、OTBグループのメタバース専門会社「BVX」の最高経営責任者でもあり、グループ傘下の全ブランドをメタバース上でも発展させるべく取り組んでいる。またこのプロジェクトはLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)、プラダ グループ(PRADA GROUP)、「カルティエ(CARTIER)」、OTBグループが支援するスイスの非営利団体オーラ ブロックチェーン・コンソーシアム(AURA BLOCKCHAIN CONSORTIUM)のサポートを受けている。
「ファブリカント」のケリー・マーフィー(Kerry Murphy) 共同設立者は 「“メタ タビ”は、『メゾン マルジェラ』のアイコンと言える“タビブーツ”に革命的なフォーマットを取り入れ、伝統と革新を融合する。ファッションへのアクセスと創造性に新時代をもたらし、ファッション体験を問い直すだろう」と語る。
1989年に発売して以来「メゾン マルジェラ」を象徴するアイテムとなった“タビブーツ”については、同ブランドの現クリエイティブ・ディレクターであるジョン・ガリアーノ(John Galliano)が1月発表の2024年春夏のオートクチュール・コレクションにおいて、「クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN)」とのコラボレーションによる“タビブーツ”を初披露し、話題を集めていた。