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アダストリア主力「グローバルワーク」が500億円達成見込み 店頭在庫増で効率向上へ

アダストリアは主力ブランド「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」で、店舗効率向上を目指した新しい内装や店頭DXの仕組みを順次店頭に導入している。2024年2月期の同ブランドの売上高は500億円超えで着地見込みといい(23年2月期は455億円)、「今後は1店舗あたりの売上高を伸ばすことが一層重要になる」と太田訓アダストリア グローバルワーク営業部部長は話す。330平方メートル以下の小型店舗は、500〜660平方メートルへの増床を進める。

3月15日に改装オープンしたイオンレイクタウン(埼玉・越谷)内の店舗(792平方メートル)は、店舗効率向上を目指し検証を重ねるパイロット店舗の1つ。15年の発売時からの累計販売枚数が400万枚を突破した“ウツクシルエットパンツ”などのヒット品番も育ってきたことで、「これまでの陳列方法では、特に週末は店頭在庫が不足する事態が起き始めていた。SNSの更新など販売スタッフの仕事は増えており、バックヤードからの商品補充などの作業をいかに減らすかが重要になっている」。

そこで同店を含む数店で、昨年から最適な店頭在庫量の検証を開始。手応えを得たことで、改装に合わせてハイシェルフ什器を導入し、店頭在庫量を以前の1.6倍に増やした。「1.6倍が最終ゴールではなく、ここから更に20〜30%在庫量を増やすことが可能」という。

AIで店頭でのネガティブ意見を集約・共有

併せて、3月から同ブランドの全店に、販売スタッフが店頭で吸い上げた商品に対するネガティブ意見をAIを使って整理し、本部に共有する仕組みを導入した。客が試着はしたものの購入にいたらなかった商品について、スタッフが客から意見を聞き取り、各店に配置されたタブレットに音声で吹き込む。それをAIが文字起こしし、各店から集まった意見の中で見逃せないものをまとめ、週報として本部に共有する仕組み。「ECサイトに集まる商品レビューについては分析して商品改善に生かし、“ウツクシルエットパンツ”のヒットにもつながっている。ただしECレビューは好意的な意見が中心で、ネガティブ意見こそ引き出すべきと考えた」。従来はそうした客の声は販売スタッフが手打ちでエクセルに書き込み、スーパーバイザーがエリアごとにまとめて本部に共有していたが、AIを活用することでスタッフの業務量を減らし、見落としも防ぐ。

レイクタウンの店舗では、同社のOMO型ストア「ドットエスティストア」で導入しているミラーサイネージや、商品バーコードを読み込むと試着室で商品別のおすすめコーディネートなどが見られる仕組みも取り入れた。今後、同ブランドの他店にも導入していく予定という。

「グローバルワーク」の24年2月期末店舗数は、EC含め213店で着地見込み。うち12店は、地域密着型ショッピングセンターやGMS内への出店業態として23年春に立ち上げた「グローバルワーク・スマイルシードストア(GLOBAL WORK SMILE SEED STORE)」だ。「『グローバルワーク』本体でここから300〜400店規模に拡大する考えは現時点ではないが、『スマイルシードストア』ではまずは100店体制を目指す」。

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