カネボウ化粧品はこのたび、慶応義塾大学SFC 研究所の井庭崇研究室との共同プロジェクトで、女性が生き生きと美しく生きるための支援ツールとして、パターン・ランゲージを収めた冊子「ジェネレイティブ・ビューティ・パターン」を制作した。パターン・ランゲージとは、もともとは建築のパターンを分類するための用語。それを人間活動に当てはめ、一人ひとりの経験知を言語化・体系化することで、コミュニケーションの円滑化を図るのが目的だ。「さまざまな情報が錯綜する中、お客さま一人ひとりの美しさと個性を引き出すために、どんな情報を提供できるかを考えた」と同社価値創成研究所の酒井進吾・主席研究員は狙いを語る。
井庭研究室の15人の学生が1年かけ、自分たちの経験をグルーピング。同冊子は48個のパターンで構成され、パターン名、状況、よくある問題、解決のヒント、他のパターンとの関連性が見開きで収められている。「美の領域でパターン・ランゲージを制作したのはおそらく初だろう」と井庭崇・准教授。同プロジェクトは、ワークショップやSNS の構築も視野に入れ、活動の輪を広げていく予定という。