資生堂はこのたび、今後も成長が見込まれるインドネシア市場においてさらなる売り上げ拡大を図るため、インドネシアのコングロマリット(複合企業)であるシナルマスグループ傘下の「シナルマストゥンガル社」と、合弁会社「資生堂コスメティクス インドネシア」を設立した。出資比率は資生堂が65%、シナルマスグループが35%で、2014年7月から新会社による営業を開始する。
インドネシアは世界第4位の人口(2012年で約2億4400万人)を擁し、35歳未満の若い世代が全人口の約60%を占める。また、都市部の若年層の人口増加が目覚ましく、今度さらなる所得増加と消費拡大が期待される成長市場だ。化粧品市場もこれまで毎年10%を超える伸長を見せていて、特にプレステージとマスの中間に位置する「マステージ」領域は、継続的な成長が期待できるという。
資生堂は1958年にインドネシア市場に進出。94年からシナルマスグループ傘下の「ディアン タルナグナ」社を代理店として販売してきた。資生堂広報部は、「今後とも高い成長が期待できる同国の市場への直接投資を検討してきたが、これまでのシナルマスグループとの友好的な関係を発展させる形で、合弁会社の設立に合意した」と経緯を語る。
同市場において資生堂はこれまで、グローバルブランド「SHISEIDO」の他、10年には「クレ・ド・ポー ボーテ」(CLE DE PEAU BEAUTE)の販売を開始し、百貨店チャネルでプレステージブランドを展開してきた。また、アジアの20代女性に向けた低価格帯ブランド「ジーエー」(ZA)も、百貨店、ドラッグストアを中心に、現在約35店で販売している。今後は、プレステージ領域の強化に加え、マステージ領域でも、美容部員の強化などを通じ、1店舗あたりの売り上げと店舗数の拡大を目指す。