マッシュスタイルラボの「エミ(EMMI)」は、スニーカーがブランドの売り上げの半分を占める、同社のアパレルブランドの中でもユニークな業態だ。2024年春夏は、売れ筋の別注スニーカーが16型と、ブランド設立(15年)以降のシーズンで最も充実する。パンプスやレザーシューズが復活する一方、スニーカートレンドが下降線といわれる中で、「スタイリングの提案次第でまだまだ響かせられる」と木下沙理菜デザイナー。
「エミ」の別注スニーカーの人気モデルには、事前予約段階で多くの注文が入り、他のスニーカーやアパレルにも波及効果をもたらしている。「『エミ』はスニーカーショップではなく、あくまでアパレルブランド」(木下デザイナー)として、スニーカー単体としての完成度だけでなく、アパレル商品との相性やコーディネートバランスを考慮した上で別注商品をデザインする。インライン商品でスポーツテイストが強すぎるものは、街履きになじむカラーに落とし込む。
24年春夏は、ファッショントレンドの一つである「ブロケット・コア」(スポーティ×フェミニン)が国内のリアルトレンド市場にも本格浸透するとみる。
その流れを汲んだ提案が、テラスシューズ(薄底のクラシックなスニーカー)だ。「アディダス」の“サンバ”が火付け役となり、すでに日本でも流行しているが、「エミ」は「プーマ(PUMA)」の定番シューズ“パレルモ”を推す。オリジナルモデルのアッパーはオールスエードだが、スタイリストの金子綾 と協業して、一部をナイロン素材で切り替えた特別モデル(1万4300円)を製作した。「クラシックすぎるデザインは、意外に合わせる服を選ぶもの。(素材の切り替えにより)軽やかで奥行きのあるデザインにした 」。
MDのスケジュール上、別注スニーカーのデザインが固まってからアパレル商品の企画に移るため、「別注スニーカーを出発点としてアパレルのデザイン、スタイリングを考えることが多い」という。「軽やかなナイロン素材の総丈ワンピースに合わせて、足元がキラッと見えたらかわいいと思ってデザインした」。そう木下デザイナーが推すのが「アシックス(ASICS)」の“GEL-NYC”(1万8700円 、5月発売)だ。2000年代リバイバルの“Y2K”から一歩先へ進み、近未来を感じさせる”Y3K”の提案に挑戦した。アッパーの大部分をメタリックパーツで覆う一方、それ以外の部分は2種のグレーでデザインに奥行きを出し、ライムイエローをポイント使いすることで「フューチャリスティックすぎないテイスト」に落とし込んだ。
スニーカーはオリジナルアパレルと比較してサイズ展開のレンジが広くなることから、売れ残りが出やすくなる。emmiではシーズンを重ねる中で、売れ筋とサイズ別の在庫配分の見極めを進めてきた。販売時期ができるだけ長い商品を仕入れることも、消化率を高めるためには重要だ。夏本番の足元には「テバ」のスニーカーサンダル“OUTFLOW CT ”の別注モデル(1万6500円)を推す。足の露出部分が比較的少ないスニーカーサンダルは、サンダルよりも長いシーズン着用できる。インラインのものはオールブラックで無骨な印象だが、別注商品はベージュ、アイボリーを基調に再構築した。
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