今シーズンの東コレでは、ジェンダーニュートラルの先を行く新潮流が見られた。ウィメンズブランドは、世間が作り上げる理想の女性像を克服し、自然体な一人の人間を表現。フェミニズムはセンシティブに捉えられがちなものだが、デザイナーたちは吹っ切れたようにありのままをさらけだした印象だ。メンズブランドやユニセックスブランドでは、性別の垣根を越えたアイテムやディテールが頻出。象徴的なのはスカートで、従前よりもはるかに多く登場した。しかし、あえて意識してそれらを作ったというよりも、「すてきだからデザインに取り入れただけ」といった無意識さがうかがえる。(この記事は「WWDJAPAN」2024年3月25日号からの抜粋です)
生身の人間として女性を描く
「フェティコ(FETICO)」
テーマは“永遠のお気に入り”。舟山瑛美デザイナーが幼い頃から好む映画「アダムス・ファミリー(The Addams Family)」や作家エドワード・ゴーリー(Edward Gorey)の退廃的な世界観に着想した。「好きなものを大切にすることは自分を大切にすること。お気に入りと人生を共に歩むのは幸せ」と舟山デザイナー。クロスモチーフのカットアウトや、大きな白襟、ニットの編み地に世界観がにじむ。女性の造形美を強調するブランドの姿勢は、チュールブラウスやシアーなボディースーツで表現。ブランド初のジュエリーには、大きなボールが付いたチョーカーや、ベルベットリボンのヘアアクセサリーなどがそろった。
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