ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Picioli)の退任に伴い、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は「グッチ(GUCCI)」の前クリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)と話し合いを進めているようだ。
情報筋によると、ヴァレンティノのラシード・モハメド・ラシード(Rachid Mohamed Rachid)会長は、ミケーレに彼が保有するファンドが昨年5月に取得したファッションブランド「ワルテル・アルビニ(WALTER ALBINI)」のクリエイティブ・ディレクターへの就任を望んだが、投資などの条件面で折り合わなかった模様。関係筋は、「ミケーレも、クチュールブランドの『ヴァレンティノ』なら興味を示すだろう。最高の素材とスタッフを抱える『ヴァレンティノ』と、再興を図る『ワルテル・アルビニ』での交渉は全く別のものになるだろう」とコメント。別の関係者は「『ヴァレンティノ』は『グッチ』ほど大きくはないが、成長の余地は大きい」としている。「ヴァレンティノ」と「グッチ」は現在、後者の方が9倍ほど大きい。
「ヴァレンティノ」のヤコポ・ヴェントゥリーニ(Jacopo Venturini)最高経営責任者は、マーチャンダイジング&グローバルマーケット担当副社長の頃、ミケーレ共に「グッチ」に在籍。2人は互いに意見を言い合える関係性だったという。
ミケーレの競業避止契約は今月中にも終了すると見られており、ローマの自宅を改装したばかりのミケーレにとって、「ヴァレンティノ」はうってつけのブランドと言える。