「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」は、アイウエアメーカーのエシロールルックスオティカ(EssilorLuxottica)と協業したコレクションの新作をイタリア・ローマで現地時間3月21日に発表した。「ブルネロ クチネリ」はエシロールルックスオティカと2022年11月に10年間のライセンス契約を結んでおり、これまでは同メーカー傘下の「オリバーピープルズ(OLIVER PEOPLES)」とのコラボレーションでアイウエアを発表してきた。今回のイベントで披露した22型の新作からは「ブルネロ クチネリ」オリジナルのライセンスコレクションとして世界で順次販売する。
メード・イン・ジャパンのモデルも
イベント会場のヴィラ・アウレリア(Villa Aurelia)は1650年竣工の邸宅で、美しい庭園を備えた歴史あるイベント会場だ。空が陽に染まるサンセットの時間帯にプレゼンテーションがスタートすると、「ブルネロ クチネリ」のウエアとアイウエアを身に着けた男女のモデル24人が庭園から登場した。ウエアはカジュアルからドレスまで多彩で、端正なアイウエアが、あらゆるエレガンスを一つのスタイルに結んだ。終盤にはブルネロ・クチネリ会長兼クリエイティブディレクターと、フランチェスコ・ミレリ(Francesco Milleri)=エシロールルックスオティカ会長兼CEOもモデルの列に加わり、両社の美学と技術を凝縮した協業を祝福し合った。
世界中から集まったゲストはプレゼンテーション後に邸宅内に移動し、アイウエアのデザインやディテールを回覧した。コレクションは、サングラス14型とオプティカル8型の22型で、予定価格は500〜2000ユーロ(約8万1500円〜32万6000円)。そのうちチタンを使ったモデルなど5型は日本屈指のアイウエア産地である福井・鯖江の技術を用いており、メード・イン・ジャパンと銘打っている。「ブルネロ クチネリ」はイタリアの職人や技術を大切にし、継承し続けるためメード・イン・イタリーにこだわり続ける哲学を貫いているため、メード・イン・ジャパンの5型は同ブランドが日本のクラフツマンシップを讃えている証といえるだろう。日本から来場した歌手のクリスタル・ケイも多くのモデルを試しながら、そのぜいたくな世界観を堪能した。
美しき小村に着想した5テーマ
デザインは、ブランドの拠点であり、クリエイティビティーの源である伊ウンブリア州・ソロメオ村の全てが着想源だ。コレクションは5つのテーマに分けており、素材とディテールを巧みに組みわせた“マルチマテリコ(MULTIMATERICO)”、ハイジュエリーからインスピレーションを得た“トラマ(TRAMA)”、ソロメオ村の紋章や建築をイメージした“ステマ(STEMMA)”、繊細な構造と素材の個性を生かした“パターン(PATTERN)”、女性のための“ジェンマ(GEMMAE)”をラインアップする。いずれも職人技術による精巧な作りと繊細で美しいデザインにこだわりながら、着用者にしか分からない装飾やディテールといった遊び心も備えている。同ブランドは昨今ワインやフレグランス事業にも参入しており、その世界観を伝える手段を広げている。アイウエアも、瞳に装うことで「ブルネロ クチネリ」のラグジュアリーな視点をより多くの人に伝えるアイテムとして期待は高い。
ブルネロ・クチネリ会長兼クリエイティブディレクターは、「誠実なコラボレーションから生み出された製品は、卓越した職人技のぜいたくさと、世界中で認められ喜びを与えている“メード・イン・イタリー”の素晴らしさを表現している。古代ギリシャの哲学者プラトンは『美しさとは本物の輝きにほかならない』と言った。私たちの美しいアイウエアがお客さまの関心を集め、しかるべき成功を収めることを心から願っている」とコメントした。
ミレリ会長兼CEOも、コラボレーションの完成を喜んだ。「ブルネロ・クチネリは偉大な起業家であると同時に、敬愛する友人でもある。彼とその家族によるクリエイティブディレクションの下で協力しながら作り上げたコレクションは、テクノロジーと高度な職人技が完璧に融合し、これらの価値観全てを表現している」。