アトモスの創業者・本明秀文さんの独自の目線と経験から、商売のヒントを探る連載。東京オリンピックがコロナ禍で1年延期になったこともあり、ついこの間のことだったように思えるが、今年もオリンピックイヤーである。今夏オリンピックを控えるフランス・パリでは、着々と準備が進んでいるよう。なんだか不完全燃焼に終わってしまった東京オリンピックの記憶も薄れてきたころだが、オリンピックはスポーツメーカーにとっても勝負のとき。今回は、本明さんが見たパリでの話。(この記事は「WWDJAPAN」2024年3月18日号からの抜粋です)
本明秀文(以下、本明):1年ぶりにパリに来ている。シャンゼリゼ通りはパリオリンピックに向けてリニューアル中の店が多い。スポーツ用品店の「JDスポーツ」も“Coming soon”の看板とともに内装工事に入っていた。東京オリンピックのときには「もうオリンピックは廃れたんだな」と思ったけど、あのときとは街の様相が全く違って、僕の予想以上にスポーツメーカーが頑張っている。「ナイキ(NIKE)」も日本や韓国、アメリカでは調子が悪いけど、パリの「ナイキショップ」は客で溢れていた。ヨーロッパだからやっぱり「アディダス(ADIDAS)」を履いている人が多いんだけど、「ナイキ」に憧れている人も多いんだと思う。そんな「アディダス」を履いている人たちが「ナイキ」を試着している光景を見ると、日本も客層を掘り起こせばまだまだ売れる可能性があるんじゃないかなと。地方にフォーカスするとか。
――都心ではレトロランニングシューズがはやっていますけど、地方だとまだ残っていると聞きます。トレンドに時差があるので掘り起こしもできそうですね。
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