「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は3月28日、2022年11月まで「グッチ(GUCCI)」を率いてきたアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)を新たなクリエイティブ・ディレクターに迎えることを発表した。先週退任が発表されたピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)の後任となる。社内発表によると、ミケーレは4月2日付で着任。9月のパリ・ファッション・ウイークで披露予定の25年春夏コレクションでデビューを飾る。
ミケーレは1972年ローマ生まれ。ローマのファッションアカデミーで学ぶ。「フェンディ(FENDI)」でシニアアクセサリーデザイナーを務めた後、2002年に「グッチ」のデザインスタジオに参加。11年に当時のクリエイティブ・ディレクターだったフリーダ・ジャンニーニ(Frida Giannini)の“アソシエイト”(右腕のような役割)になり、14年からはグッチ傘下の陶器ブランド「リチャード ジノリ(Richard Ginori)」のクリエイティブ・ディレクターも兼任してきた。そして15年1月、ジャンニーニが退任したことを受けて、デザインチームを率いて2015-16年秋冬メンズ・コレクションを制作し、ショーの2日後に正式にクリエイティブ・ディレクターに就任。当時、会長兼最高経営責任者(CEO)を務めていたマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)と共にブランドの改革に取り組み、22年11月まで同職を務めてきた。ミケーレは、さまざまな文化や歴史の要素を織り交ぜた折衷的かつアンドロジナスな美学と独創的なアイデアを生かしたファッションショーで知られる。
なお、「ヴァレンティノ」は月曜、6月にメンズとオートクチュールのショーを開催しないと発表した。