ファッション

セレクト大手3社が入社式 ベイクルーズは過去最多の241人が入社

セレクトショップ大手のユナイテッドアローズ、ベイクルーズ、ビームスが4月1日、入社式を開催した。ベイクルーズは過去最大人数となる241人の新入社員を迎えた。

ベイクルーズはファッションショー形式で

ベイクルーズは渋谷のトランクホテル(TRUNK HOTEL)で入社式を開催した。新入社員241人のうち、アパレル事業に216人、フード事業に25人が配属された。会場にはランウエイを設置し、一人一人がファッションショー形式で入場した。ジャケットの上からデニムのビスチェを重ねたり、シャツを2枚重ねに着こなしたりと個性的なレイヤードスタイルが目立った。

杉村茂社長は「個性や工夫、世代ならではの着方を見せてくれて嬉しく思った。ベイクルーズに新しい風を吹かせてくれると期待させてくれるランウエイだった」とコメント。さらに、同社の2023年8月期は増収増益でファッション事業においては過去最高益を記録したことに触れ、「今後も成長を見込めると断言できる。皆さんにもたくさんのチャンスが巡ってくると思う。会社はみなさんの育成のために投資をする。甘やかすことはしない。たいした苦労もなく人は育たないからだ。多少の厳しい指導もあるだろうがご了承いただきたい。ただし成長は会社のものではない。それぞれ個人の生涯の財産になるはずだ」と激励した。

また入社式当日のみ使用するインスタグラムアカウントを開設し、新入社員それぞれが投稿したスタイリング写真のうち、新入社員を含めた全社員から最もいいねを獲得した人を表彰する「スタイリングアワード」企画も実施した。

採用活動においては、大学での説明会やYouTubeでの発信など学生との接点を積極的に増やしている。また新たに店舗で1〜2カ月間働く長期インターンシップを実施したところ、50人が参加し参加者全員が採用につながった。採用を統括する梶村努取締役は、「人手不足と言われるなかでも、採用活動は順調だ。来年は新卒300人採用を目指す」という。なお、同社は昨年新卒の初任給を20万円から22万円にベースアップしている。

「今の時代はAIよりも愛。太陽の光を感じるビームスを一緒に」と設楽社長

ビームスは原宿本社近くの東郷記念館で入社式を行った。男性38人・女性55人の計93人の新入社員が出席した。

設楽洋社長が一人一人の名前を読み上げ、辞令書を手渡して握手をする。「ビームス二子玉川勤務を命じます」「ビームスハウス神戸勤務を命じます」。新入社員は緊張した面持ちだったり、笑顔を見せたり、表情はさまざまだ。

設楽社長は「セレクトショップはお店の個人が『これが好きな人、集まれ!』と呼びかかけたのが始まり。自分の好みを濃いものにすることで、たくさんのファンを集める。皆さんには自分の好きを極めてほしい。今の時代はAIよりも愛。デジタルの時代だからこそ、体温が大切になる。太陽の光を感じるビームスを一緒に作ろう」とあいさつした。

新入社員は本日から2週間の原宿本社での研修および1泊2日の八ヶ岳研修を経て、全国の店舗に配属される。

UA新入社員は「先輩たちの最高の購入体験を提供する姿勢」が決め手

ユナイテッドアローズは原宿の商業施設ウィズ ハラジュク(WITH HARAJUKU)内のホールで入社式を行った。今年度の新入社員は128人。新入社員は黒やグレーを基調としたスーツやジャケットに、デニムやチュールスカートに合わせるといったUA社員らしいフォーマルながら個性あふれる服装に身を包んだ。

松崎善則社長は「ファッションは人の人生を変える力があるんです」と新入社員に強く語りかけた。「たとえば当社がお勧めした服を着て結婚相手のご両親に挨拶に行き上手くいったとか、当社のジャケットを着て就活面接に臨んだら自信を持ってやり切れたといった手紙をお客さまからいただきます。(販売職は)人生の節目に関われる尊い仕事。皆さんは本当に良い業界を選ばれたと思う。そしてユナイテッドアローズは皆さんの夢を実現できる会社であると自負しています」と締め括った。

新入社員代表の挨拶を担当した鈴木涼太さんは、4年生大学の経営学部でファッションを専門に学んだ。古着屋でのアルバイト経験から服を販売する以上に感動を届けられるようになりたいという思いからユナイテッドアローズを選んだ。「さまざまな会社を見る中で、ユナイテッドアローズの先輩方はお客さまに最高の購入体験をしてもらおうと本気で取り組む姿勢が他社とは大きく違った。松崎社長がおっしゃったように、私もファッションに出合って人生が明るく変わった。その感動をこれから多くの人に届けていきたい」と意気込みを語った。

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