専門店チェーン、セレクトショップの2024年3月度売上高(既存店ベース)は、低気温が続いたことで低調だったという声が目立つ。2月の高気温で各社春物が動き出していたが、季節は再び冬に逆戻り。ただし、3月最終週の日曜は首都圏では一気に気温が上がり、一転夏のような気候となった。「このまま春商戦が飛んで、夏になってしまうのではないか」と危惧する声も聞こえてくる。
ユニクロの国内売上高は前年同月比1.5%減。前年3月が同11.9%増と大きく伸ばしていた反動ももちろんあるが、好調だった2月に対し、伸び悩んだ。「2月は“エアリズム”も動いていたが、再び“ヒートテック”インナーや“ウルトラライトダウン”、“パフテック”アウターが売れ筋になった」と広報担当者。ウィメンズのパラシュートパンツやメンズのカーゴパンツ、“感動パンツ”など、春物ボトムスにはトップスに比べると動きが出ている。
しまむらの「ファッションセンターしまむら」は同1.1%増。集計期間が2月21日〜3月20日のため、2月後半の高気温やうるう年効果でやや底上げされた面もあるが、「気温が低く、春・初夏ものが低調」(発表資料から)だったという。その中にあって婦人衣料の売れ筋となったのは、ジーンズやシアーアイテム、チュールアイテム。
良品計画の「無印良品」は同16.1%増と気を吐いている。3月15〜25日に開催した会員向けセール「無印良品週間」が、「開催日数は前年と同等ながら、新商品の投入や在庫の事前積み上げによって生活雑貨、食品を中心に売り上げを伸ばした」(発表資料から)ことが貢献した。カテゴリー別では、衣服・雑貨が同1.7%増、生活雑貨が同22.1%増、食品が同23.6%増。
アダストリアは同0.8%減だった。「低気温で上旬は伸び悩んだが、中旬以降に徐々に気温が上昇すると共に、春夏商品の動きが堅調となった」(発表資料から)。売れ筋は定番のパンツや薄手ニット、軽い羽織りアウターなど。
前年3月に同15.7%増と伸ばしていたユナイテッドアローズ。今年はそこからさらに同4.6%増と伸ばした。「メンズは春物アウター、スーツ、ジャケットなどの重衣料などが、ウィメンズはシャツ、カーディガン、パンツ、スカートといった中軽衣料などの動きが目立った」(発表資料から)。