「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、X(旧Twitter)やFacebook、Instagram、TikTok、そしてThreadsをパトロールして、バズった投稿や炎上、注目のトレンドをキャッチしている。この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズったり炎上してしまったりに至った背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。82回目は、SNSではなぜか特定のブランドだけで用いられるような、「本人期」という言葉のお話。
ソーシャルエディター津田:「エムエム6 メゾン マルジェラ(MM6 MAISON MARGIELA. 以下、エムエム6)」と「シュプリーム(SUPREME)」は3月30日、コラボ商品を発売しました。発売の1カ月以上前からネット上ではリーク画像が出回ったり、コラボ商品を予想する声が飛び交ったりと話題でしたが、「シュプリーム」のオフィシャルアカウントがルック画像を投稿すると、予想されていたコラボとは全く違い、SNSはさらに盛り上がりました。トロンプルイユプリントのボックスロゴTシャツやペンキ加工の6パネルキャップなどコラボとわかりやすいアイテムから、2006-07年秋冬や15-16年秋冬、18-19年秋冬に「シュプリーム」で発売したジャケットを1つに再構築したバーシティージャケット、過去に「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」が発売したドル紙幣をモチーフにした財布から着想したレシート風ウォレットのほか、1997-98年秋冬の「メゾン マルジェラ」と「ブレス(BLESS)」のコラボを思い出すウィッグなど、サンプリング元がマニアックなアイテムもあり、マニアは脳汁が溢れ出たでしょう。「メゾン マルジェラ」特有の技法やシグネチャーアイテムをストリートウエアにうまく落とし込んでいました。ここにきて「本人期」からの引用が多いのも、ラグジュアリーブランド化する「メゾン マルジェラ」ではなく「エムエム6」だったからではないでしょうか?今回は絶対に欲しい!と思い、店舗の入店抽選やオンラインなどあらゆる手段に挑みましたが、ゲット出来ずでした。
記者村上:ムネアツなのだろう商品の列挙よりも、津田さんの「本人期」という言葉に反応してしまいました(笑)。最近、よく聞くんですよね。例えばドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)が第一線を退くというニュースを配信した時も、「『ドリス』も本人期終了かぁ〜」なんてコメントがあって、私はいまさら「『本人期』って言葉があるんだ」と知った次第です(笑)。
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