ロサンゼルス発のストリートブランドで、2024年2月にサザビーリーグと合弁でジャパン社を設立した「マッドハッピー(MADHAPPY)」が、東京・原宿でポップアップストアを開催中だ。期間は4月14日まで。オープン日の4月2日には、本国チームが来日し関係者を招いたレセプションパーティーを開催。多くの人で賑わった。
「ローカルオプティミスト」の理念が共感を呼ぶ
17年にスタートした「マッドハッピー」は、ファッションを通じてメンタルヘルスの大切さを伝えることをパーパスに掲げる。「ローカルオプティミスト」とうたうブランド理念が共感を呼び、拠点のアメリカを皮切りにグローバルにコミュニティーを広げている。19年にはLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)の投資ファンドLVMHラグジュアリー・ベンチャーズ(LVMH LUXURY VENTURES)が出資して話題になった。
LVMHが出資するLA発ストリートウエア「マッドハッピー」 フーディーで広がるコミュニティー Youth in focus Vol.11
元サザビーリーグの営業統括事業推進部副部長で、現在マッドハッピージャパンの社長を務める岡村周明は、同ブランドの魅力はブランドの信念にあるという。「22年12月に初めて『マッドハッピー』のチームから連絡をもらったとき、『ファッションは人をハッピーにする。それを地域のコミュニティーから実現したい』という彼らの信念に深く共感した。彼らのパーパスであるメンタルヘルスの取り組みも非常に興味深く、日本に是非紹介したいと思った。同時にただ商品を卸販売するというディストリビューション契約では上手くいかないだろうとも感じ、彼らに合弁会社をつくることを提案した。ブランドのカルチャー自体を一緒に日本に移植していくことが成功への近道だと彼らも感じてくれたようだ」と、契約に至った背景について語る。加えて「マッドハッピー」はこれまでに「アグ(UGG)」 や「サロモン(SALOMON)」などの人気ブランドとのコラボレーション商品を発表しており、そうしたコラボレーション企画も強みになるだろうと話す。
今回のポップアップには、24年春夏コレクションのほか東京限定のフーディー(3万6300円)やTシャツ(1万6500円)、彼らが発行するカルチャー雑誌「LOCAL OPTIMIST」(4950円)も並ぶ。ロサンゼルスの旗艦店同様に店内にはカフェも併設する。4月5日にはオカモトレイジ率いるクリエイティブ集団ヤギ エキシビション(YAGI EXHIBITION)とコラボレーションしたパーティーも店内で開催予定だ。
岡村社長は25年3月期中に都内に常設店のオープンを目指すという。「日本にも『マッドハッピー』の提案が響くお客さまは一定層いるはず。その層にきちんと支持されるマーケティングができるかが鍵になる。ロサンゼルスの旗艦店同様にカフェを併設した路面店を構えるなどして、支持を得ていきたい」。
セレクトショップの「ロンハーマン(RON HERMAN)」や「エストネーション(ESTNATION)」、ダウンウエアの「カナダグース(CANADA GOOSE)」などを手掛けるサザビーリーグは、事業やブランドの次なる芽を見つけるのに長けた目利き企業としてファッション業界内で定評のある存在。かつては「スターバックス(STARBUCKS)」を本国との合弁で日本に上陸させたことでも知られる。
■office madhappy featuring LOCAL OPTIMIST,PANTRY&HOTEL DRUGS
日程:4月2〜14日
場所:BA-TSU ART GALLERY
住所:渋谷区神宮前5-11-5