昨今のメイクアップは骨格や顔のタイプ、肌トーンに応じて自分に合う色を探す“似合わせメイク”が浸透し、「イエベ・ブルベ」という言葉もお馴染みになっている。そんなトレンドとは一線を画した、自分で色を選べないコスメシリーズがある。バンダイが3月からスタートしたガシャポンシリーズ「ポンデクルール(PON DE COULEUR)」で、4月からは第2弾として「星のカービィ」と「モフサンド」とコラボレーションしたアイテムも発売した。何が当たるかわからないワクワク感と自分では選ばないカラーとの出合い、1回500円でキャラクターコラボコスメが買えるお得感もあり、反響は上々だという。
実はコスメのガチ企業バンダイ 「ベルばら」アイライナーがヒット
バンダイは元々コスメアイテムの開発に積極的な企業だ。2006年に化粧品事業を手掛けるブランドのクレアボーテを設立すると、「美少女戦士セーラームーン」や「おジャ魔女どれみ」などのキャラクターグッズとコスメを組みわせたアイテムを販売。原作の世界観を取り入れたパッケージデザインと本格的なコスメの機能が受け、かつて少女だった大人女性たちの心を掴んだ。
中でも「ベルサイユのばら」をパッケージデザインに据えたアイライナーやマスカラは機能性の高さがコスメファンの間でも話題となり、キャラクターグッズの粋を超えてドラッグストアやバラエティーストアでも売り上げを伸ばした。12年にはリキッドアイライナーが「アットコスメ(@COSME)」のベストコスメ大賞で殿堂入りを果たしている。
「ガシャポンでコスメ」第1弾はSNSで反響が
そんな同社が仕掛けた新たなシリーズが、ガシャポンで売るコスメだ。シリーズ名に含まれる「クルール(Couleur)」はフランス語で“色とりどり”を意味する言葉で、「思いがけず出合ったコスメから自分に似合う新しい色を知って欲しいという思いを込めた」(担当者)。元々「キャンメイク(CANMAKE)」 などコスメのパッケージをデザインしたチャームなどはガシャポンで取り扱っていたが、新シリーズは実際に化粧品として使えるアイテムであることが最大の特徴だ。
3月中旬から取り扱いが始まった第1弾商品は、潤んだ瞳が特徴的な人気シリーズ「甘えんぼナミダ」デザインのサンリオキャラクターを描いた“サンリオキャラクターズ マルチカラーパウダー”と、アニメ「おジャ魔女どれみ」に登場するアイテムや衣装を描いた“おジャ魔女どれみ マルチカラーパウダー”。現在はゲームセンターやスーパーマーケットなどに置かれている全国のガシャポン自販機でのみの販売だが、担当者は「SNS上で大きな反響があり、幅広いお客さまにご購入いただいている状況で、たくさんの写真がSNSにアップされていて大変嬉しく思っている。すでに売り切れている店舗の情報も多数見かける」と語る。
「色が選べない」からこそ色にこだわる
4月から発売した“星のカービィ マルチカラーパウダー”(全5色、各500円)と“モフサンド マルチカラーパウダー”(同)も、アイシャドウやフェイスカラーなどに使えるマルチパウダーを用意した。透明感のあるクリアケースには天板にキャラクターをデザインし、パウダーは容器のデザインを引き立てつつ、キャラクターの世界観に合わせた華やかな色味をそろえた。サイズは直径約42mmで、ガシャポンならではのコンパクトサイズだ。
購入時に色を選ぶことができないこと踏まえ、「ご購入いただいた方がどんなカラーに当たっても、いろんな楽しみ方ができるように使用感はトライを繰り返した」といい、ピンクやオレンジのほか締め色に使えるブラウン、トーンアップのラベンダーやライトブルーなど、汎用性の高い色味をラインアップ。サラッとしたパウダーながら密着感があるテクスチャーで、手持ちのコスメと混ぜニュアンスを変える等の使い方も提案し、化粧品としての魅力も伝えている。