ビューティ

「ザボディショップ」のフランス事業もイギリスに続き破綻 世界中でリストラが進む

イギリス発の自然派化粧品ブランド「ザボディショップ(THE BODY SHOP)」のフランス事業が4月4日、破産管財人の管理下に入った。過剰な店舗展開の一方で過小な投資、そしてビューティ市場における激しい競争によるもの。現在「ザボディショップ」を運営する欧州プライベート・エクイティ投資大手のアウレリウス・グループ(AURELIUS GROUP)は2月初め、ヨーロッパとアジアの一部における大半の事業を、とある家族経営の企業に売却。売却の対象は、同ブランドの全世界における事業の約14%に相当する。

各国での事業状況

66店舗を展開し、約260人の従業員を抱える「ザボディショップ」のフランス事業は2週間前、パリの商業裁判所に破綻を申請した。再建計画を策定するため、24年秋まで6カ月間の観察期間を与えられている。イギリス事業は2月13日に破産管財人の管理下に入り、同月29日に75店舗を閉鎖、480人以上の従業員を解雇した。北米では3月1日に、61店舗(※編集部調べ)を展開するアメリカでの事業を停止、カナダで展開する105店舗のうち33店舗の閉鎖を開始しており、ECも停止した。

同ブランドは23年11月まで、ブラジルの化粧品大手ナチュラ&コー(NATURA & CO.)が運営。70カ国以上で約2800店舗を展開していた。ナチュラ&コーが保有していた当時、同ブランドの23年第3四半期の売上高は1億6470万ドル(約248億6970万円)だった。

「ザボディショップ」とは

「ザボディショップ」は1976年にアニータ・ロディック(Anita Roddick)が設立し、1号店をイギリス・ブライトンで開店。“目的”を持った、サステナブルなビューティブランドのパイオニアだった。動物実験に反対し、製造とサプライチェーンにおける持続可能性の実現に取り組んだロディックは、倫理と商業が両立し得ることを証明した、イギリスで最も早い起業家の一人だった。

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