ビューティ

坂巻哲也「アピッシュ」代表が死去 最後まで「もう一度現場に戻りたい」という思いを貫く

人気ヘアサロン「アピッシュ(apish)」は4月7日、公式サイトにて、坂巻哲也「アピッシュ」代表が3月29日に死去したと報じた。享年63歳。

同サイトによると、かねてより病気療養中で、家族・スタッフに見守られながら安らかに永眠したとのこと。これまでの感謝の意とともに、「坂巻は生前、もう一度現場に戻ってお客さまを担当させていただきたいと強く思っており、その思いを最後まで諦める事なく精一杯生き抜きました」と故人の思いを伝えている。今後に関しては、「坂巻の意思・技術を継承したスタッフが『アピッシュ』を守って参りますので、変わらずのご愛顧を宜しくお願い申し上げます」という。

坂巻氏は、1998年に「アピッシュ」をオープン。“かわいい”を訴求したサロンとして一世を風靡した。2001年からはフジテレビ系の人気番組「ビューティー・コロシアム」に美のプロフェッショナルとして出演し、“カリスマブーム”をけん引。「坂巻流」と呼ばれる独自のカットテクニックで人気を博した。

一方、ビジネスでもさまざまな分野にチャレンジ。ウイッグやコサージュのプロデュースのほか、ワイドショーの“変身企画”(ヘアカットなどのビフォー&アフターで魅せる企画)などにも積極的に出演し、美容師の活躍の幅を広げた。経営においては、青山や原宿を拠点とするデザイナーズサロンが多い中、いち早く“銀座”に目を付け、銀座に新たなサロンカルチャーをもたらした。ほかにも社内独立制度の採用や、女性スタイリストのためのサロンをオープンするなどチャレンジングな試みを続け、グループサロンを含め11店舗を展開するまでに至った。

“カリスマブーム”時代に話題となり、現在でも人気を維持し続けているサロンというのは非常に珍しく、その代表的な存在の1つが「アピッシュ」だ。率いた坂巻氏は、卓越したテクニック、ワイドショーに引っ張りだこになるトーク力、そして四半世紀に渡りサロンの人気を維持し続けるマネジメント力という、三拍子を併せ持つ人物だった。その早過ぎる訃報に、業界内外で惜しむ声が広がっている。

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