PROFILE: アレッサンドロ・ミケーレ 「ヴァレンティノ」新クリエイティブ・ディレクター
「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は3月28日、2022年11月まで「グッチ」を率いていたアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)を新たなクリエイティブ・ディレクターに任命した。22日に退任が明らかとなった、ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)前クリエイティブ・ディレクターの後任となる。ミケーレ新クリエイティブ・ディレクターは4月2日付で着任し、9月のパリ・ファッション・ウイークで披露する25年春夏コレクションでデビューする予定だ。ここでは、ミケーレの功績を振り返りつつ、「グッチ(GUCCI)」の親会社であるケリング(KERING)との縁や、「ヴァレンティノ」との相性について分析する。(この記事は「WWDJAPAN」2024年4月8日号からの抜粋です)
「ヴァレンティノ」は、1960年にデザイナーのヴァレンティノ・ガラヴァーニ(Valentino Garavani)とビジネスパートナーのジャンカルロ・ジャンメッティ(Giancarlo Giammetti)がローマで創業。2012年に、同ブランドを運営するヴァレンティノ社をカタールの投資会社メイフーラ・グループ(MAYHOOLA GROUP以下、メイフーラ)が8億5800万ドル(約1295億円)で買収した。ピッチョーリ前クリエイティブ・ディレクターは16年に、現在の最高経営責任者(CEO)であるヤコポ・ヴェントゥリーニ(Jacopo Venturini)は20年に就任。23年7月の時点で、世界の25カ国以上で211の直営店を有している。
ミケーレ新クリエイティブ・ディレクターは、1972年ローマ生まれ。「フェンディ(FENDI)」でシニアアクセサリーデザイナーを務めた後、2002年に「グッチ」のデザインスタジオに参加。11年に当時のクリエイティブ・ディレクターだったフリーダ・ジャンニーニ(Frida Giannini)の“アソシエイト”(右腕のような役割)に。15年1月には、ジャンニーニの退任を受け、デザインチームのトップとして15-16年秋冬メンズ・コレクションを披露。その2日後、正式にクリエイティブ・ディレクターに就任した。当時はまだ無名だったミケーレだが、グッチの会長兼CEOを務めていたマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)と共にブランドの改革に取り組み、独自の美的センスとカリスマ性で若年層の顧客を増やし、「グッチ」を現在のようなスターブランドに返り咲かせた功績は高く評価されている。
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