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マッシュHDとグンゼが合弁会社を設立した理由 日本の技術力×デザインで海外でも勝つ

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マッシュホールディングス(HD)とグンゼは2023年9月1日付で、合弁会社Ballelite(以下、バレリット)を設立した。出資比率はマッシュが80%、グンゼが20%で、「2社の力を集結し、今までにない“ビューティギア”ブランドの『バレリット』を発信する」と近藤広幸マッシュホールディングス社長は話す。4月25日に第1弾商品を発売する同ブランドで27年8月期には11億8000万円の売り上げを目指すというが、合弁会社を作らずとも、両社がコラボレーションする形で製品を企画・販売することは十分可能だったはず。合弁会社にした狙いは何なのか、近藤社長とグンゼの佐口敏康社長に聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):わざわざ合弁会社という形にした意図は何か。

近藤広幸マッシュホールディングス社長(以下、近藤):われわれの方からグンゼに合弁会社を作りたいとお願いをした。2つの企業の利益を積み上げて販売価格を決めていく形だと、価格競争力のない商品ができてしまう。そうならないために、運命共同体となる合弁会社を作って、そこに対して両社の知見を惜しみなく投入していく必要があると考えた。適正価格で販売するために1つの会社を作り、その会社がもうかることを両社の目標にすることが最善と判断した。グンゼの持つ優れた技術を取り入れた商品を、適正価格で実現できたことが合弁会社の形を採った最大の効果だ。これだけの機能を盛り込んだ商品をわれわれだけで出そうとしたら、「バレリット」の価格の1.5倍前後になっていただろう。

WWD:マッシュグループでは、19年に立ち上げた「アンダーソン アンダーソン(UNDERSON UNDERSON)」でも和紙素材のインナーウエアを企画してきた。

近藤:「アンダーソン アンダーソン」でインナーを企画開発する中でぶつかった壁がいくつもある。グンゼは、そうした技術面に関する壁をクリアする(切りっぱなしや接着縫製、立体成型などの)ノウハウを全て持っていた。一緒に何かできないかという2社での話し合いは21年11月ごろにスタートしていたが、それとは別で、「アンダーソン アンダーソン」が23年にグンゼとの協業フットカバーを企画している。

WWD:グンゼとしては、新ブランドの「バレリット」が既存の「トゥシェ(TUCHE)」や「キレイラボ(KIREILABO)」などと競合してしまう恐れはなかったのか。

佐口敏康グンゼ社長(以下、佐口):「バレリット」は立ち仕事の女性向けということで、コンセプトもわれわれのブランドとは異なっている。また、われわれには若年層のお客さまへのアプローチが弱いという課題がある。その点、マッシュグループは若年層からの支持が厚い。マッシュグループと一緒に事業を行うことで、研究開発力、技術力、自社工場での生産力といったわれわれの強みを生かした着心地のよい商品を、若い世代のお客さまに広げていけると期待している。

出発点は近藤社長の趣味の釣り

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