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ゼニア、23年は27%増収 日本も30%増収と好調

エルメネジルド ゼニア グループ(ERMENEGILDO ZEGNA GROUP以下、ゼニア)の2023年12月通期決算は、売上高が前期比27.6%増の19億454万ユーロ(約3123億円)、営業利益は同40.9%増の2億814万ユーロ(約341億円)、純利益は約2倍(同107.8%増)の1億3566万ユーロ(約222億円)の増収増益だった。

地域別での売上高は、EMEA(欧州・中東・アフリカ)が同26.6%増の6億5869万ユーロ(約1080億円)、北米は同41.6%増の4億1735万ユーロ(約684億円)、アジア太平洋地域(日本を含む)は同22.2%増の7億8800万ユーロ(約1292億円)だった。日本単体では同29.9%増の8499万ユーロ(約139億円)と、いずれの地域も2ケタ成長と好調だった。

ブランド別に見ると、主力の「ゼニア(ZEGNA)」の売上高は同12.4%増の13億2204万ユーロ(約2168億円)、「トム ブラウン(THOM BROWNE)」は同14.9%増の3億8028万ユーロ(約623億円)だった。23年4月から組み込まれたトム フォード ファッション事業の売り上げは、2億3550万ユーロ(約386億円)だった。

ゼニアは06年ごろから「トム フォード(TOM FORD)」とライセンス契約を締結し、メンズウエアを手掛けてきたが、22年11月にエスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)がトム フォード インターナショナル(TOM FORD INTERNATIONAL以下、TFI)から「トム フォード」とその知的財産を28億ドル(約4228億円)で買収した。これに伴い、ゼニアはELCと20年(業績連動で10年の自動延長付き)の長期ライセンス契約を締結し、23年4月にTFIの株式の85%を取得。以前から保有していた15%と合わせ、完全子会社化した。以降、トム フォード ファッション事業として、メンズに加えて、ウィメンズ、キッズ、アンダーウエア、アクセサリーなどファッション事業全体のほか、卸や世界に約50ある直営店の運営を手掛けている。なお、TFIの22年12月期の売上高は3億1200万ユーロ(約511億円)だった。

販売チャネル別の売上高は、D2Cが同37.8%増の12億6502万ユーロ(約2074億円)、卸は同11.3%増の6億3473万ユーロ(約1040億円)だった。なお、「ゼニア」の売り上げの85%を小売が占めているという。

ジルド・ゼニア(Gildo Zegna)会長兼最高経営責任者は、「23年は純利益を倍増させるなど、素晴らしい業績を上げることができた。また『トム ブラウン』が20周年を迎え、『ゼニア』はラグジュアリーなメンズウエアとしてのポジションをさらに確固たるものとし、トム フォード ファッション事業の統合も進むなど、大きな節目となる年だった」と語った。

同氏はまた、「当社は小売の強化および卸の合理化に取り組んでおり、24年1~3月期(第1四半期)は1ケタ台の成長率になると予想されるが、第2四半期から下半期にかけて力強く回復する見込みだ。目標として掲げている、通期での売上高20億ユーロ(約3280億円)は十分に達成できるものと考えている」と展望を述べた。

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