ユーザーは、何を基準にスキンケアを選んでいるのか?今回は「アットコスメ」に寄せられた「オイル美容液」の口コミを原田彩子「アットコスメ」リサーチプランナーが解説。ヒットの法則を読み解いていく(集計期間:2024年2月1日~29日)。
―――2月の「オイル美容液」カテゴリーで象徴的に使われているキーワードは?
原田彩子「アットコスメ」リサーチプランナー(以下、原田):昨年2月と比較すると「YouTube」というワードが増加している。クリームや美容液などと比較すると使用率は低く、使用方法、使用量も難しいことから、動画の詳しい情報やハウツーが求められているのではないでしょうか。「ブレンドする」「混ぜる」というワードも増加しており、使用法の幅も広がっている様子が読み取れる。
【アットコスメ2024年2月「オイル」口コミ TOP5】
1位「RMK」“RMK Wトリートメントオイル”(50mL、4400円)
原田:肌をやわらかくするオイル層と、角質層をみずみずしく満たすうるおい層がひとつになった、プレケア用のトリートメントオイル。口コミでは、「肌が柔らかくなる」「次に使う化粧水の浸透もよくなった」という意見が他の商品と比較し多く出現している。また「柑橘系の爽やかな香りで気分があがる」「癒される」という声が散見される。伸びもよく、デパコスでありながら「コスパが良い」という意見も比較的多く寄せられている商品だ。
2位「ミノン(MINON)」“アミノモイスト エイジングケア オイル”(20mL、1650円※編集部調べ)
原田:「SNSでバズっていたので買ってみました」という声も多い話題のアイテム。他の商品よりも「安心する」というワードが多く出現しており、肌が敏感な人や季節を問わず使用できるとの声が寄せられていまる。「自分に足りなかったのは保湿だと実感させられました」という口コミが示すように、うるおい、保湿力も高く評価されている。さらに、乳液やクリームに混ぜる、単体で使用する、顔全体、口元や目元のみなど、人によって使い方・使う場所も異なるようで、肌悩みや肌状態によってさまざまな使い方をされている様子がうかがえる。
3位「ゲラン(GUERLAIN)」“アベイユ ロイヤル アドバンスト ウォータリー オイル”(30mL、税込2万570円/50mL(限定)、1万9360円/50mL、2万8160円)
原田:「毛穴が目立たなくなる」「キメが整う」「肌にツヤが出る」などの効果感の表現が、他の商品より比較的多く出現している。「ウォータリーオイルの中のカプセルを、手の温度で温めながら馴染ませると金箔になる、演出もすごい!」、また香りへの言及も多い。「癒されて、スキンケアが楽しくなる美容液だなと感じました」、「高級感のあるボトル」、「さすがゲラン様」など情緒的な満足度も高い様子がうかがえる。
4位「ニュクス(NUXE)」“プロディジューオイル”(50mL、3,630円/100mL、5940円)
原田:顔以外にも髪、爪、ボディなど頭から足の先まで全身に使えるマルチオイル。「使用感もクセがなく、スプレー式なので広範囲に使いやすい」、「手に残ったオイルは髪や手に塗れる」と使い勝手のよさも高く評価されている。また、様々なパーツに使用できるため、コスパがよいという声も見られます。香りに関する記述も多く、甘い香りで香水代わりに使用している人も少なくないようだ。
5位「ハーバー(HABA)」“高品位「スクワラン」”(15m、1540円/30mL、2750円、60mL、5060円/120mL、9350円)
原田:1983年発売のロングセラー商品で、「アットコスメ」でもすでに2016年に殿堂入りしているほど長期にわたり人気を獲得。15mLから120mLまで幅広いサイズ展開があり、リピーターだけではなく新規のユーザーが試しやすい機会を提供している。口コミでも、「お試し」というワードが特徴的に出現していて、「お守りコスメとして手元に置いておきたくなる」との声も散見され、安心して購入に至っている様子が垣間見られる。さらに、「皮むけ」「肌荒れ」「ニキビ」など悩み系のワードの出現率が他の商品より比較的多く出現している。
―――「オイル美容液」以外で好調なカテゴリーは?
原田:スポンジ、ブラシなどの「メイクアップグッズ」「ブラシクリーナー」。オイルの口コミで増加傾向にあった「YouTube」にも関連するが、プロのテクニックを見て情報源が増えたことによる影響が大きいと考えている。また、比較的安価なグッズや、水洗いしなくても簡単に汚れを落とせるクリーナーが増えたことも要因のひとつではないか。「ブラシを使ってメイクをするのが楽しい」という声もあがっている。
―――いま注目する「トレンドの芽」は。
原田:「下地不要」。化粧下地不要のファンデーションも増えてきているが、口コミでも増加中だ。手軽さへの言及はもちろんのこと、スキンケアが配合されているので直接肌に触れることに抵抗がない、むしろ積極的に使いたいとの声がある。ベースメイクのスキンケア化に伴い考え方も変化している様子が垣間見られる。