フェムテックをブームで終わらせずに、ビジネスとして成長・定着させるために必要なものは何かを考える本連載。フェルマータ(fermata)の近藤佳奈・最高執行責任者(COO)が、今後の市場の流れを掴むヒントを解説します。第3回は、同社が2024年2月9〜11日に開催した「フェムテックフェス(Femtech Fes!)」を振り返ります。今後の日本市場に必要な動きとは何か。そして問いかけの方向性について考えます。
来場者は過去最多 50代以上の参加も増える
「フェムテックフェス」は2019年にスタートし、リアルでの大規模開催は今回が4度目です。日本を含む世界23カ国と5地域から200以上のプロダクトやサービスが、そして海外からは24企業44人のフェムテック起業家たちが集結しました。
なんといっても今回注目を集めたのは、「Femtech(フェムテック)」という言葉の生みの親である、月経周期管理アプリ「クルー(Clue)」の創業者で、現在は会長を務めるイダ・ティン(Ida Tin)さんの来日。日本のフェムテック市場が黎明期から成熟期に変わろうとしている今、改めて世界から見た日本の現在地を見つめ直す良い機会となりました。
来場者は前回の約3000人を大きく上回る5150人を記録しました。来場者に実施したアンケート調査からは、初めて参加した人が6割を占め、フェムテック市場への関心が高まっていることが伺えます。また来場者のうち約9割が「フェムテック商品を使用している」または「自身での使用を検討している」と言い、情報収集意欲や購買意欲が高いことも分かります。前回からのうれしい変化は、来場者の年齢層。50代以上の比率が、1割から2割強に伸長したのです。フェムテックというと、月経=10〜20代向けのイメージを持っている人も多いですが、来場者の実態は30代以上で8割を占めました。加えて来場者のうち約9割が就業中で、多くの人が業務の一環としてビジネスのヒントを探しに来ていることも伺えます。
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