高島屋の2024年2月期連結業績は、売上高に相当する総額営業収益が前期比8.0%増の9522億円、営業利益が同41.3%増の459億円、純利益が同13.6%増の316億円だった。いずれの利益項目においても過去最高となり、営業利益に関しては連結決算を開始した1991年2月期以来の最高益となった。
主力の百貨店事業の総額営業収益は前期比6.8%増の8054億円。そのうち国内百貨店の売上高は前期比10.6%増、コロナ前の20年2月期と比較しても7.5%増だった。免税売上高は687億円と、20年2月期の496億円を上回り過去最高となった。中国人の売上高は団体客の減少により331億円で、20年2月期の水準(382億円)には及ばない。一方、それ以外の国からの観光客の売上高合計は356億円と、20年2月期(113億円)の3倍以上に伸びた。
商品別では、やはりインバウンド効果の大きいラグジュアリーブランドなどの高額品が前期比17%増と大きくけん引。リアルクローズの衣料品も同11.7%増と高伸長だった。
今期は営業利益500億円を計画
足元の好業績について村田善郎社長は、「グループの中核である百貨店がけん引する構図を作ることができている」と手応えを話す。「ただ、コロナの5類移行や水際対策緩和によるインバウンドの急増など、(好業績の背景には)『リバウンド』の要素が多分にあることも事実。過去最高益に浮かれるのではなく、気を引き締め直す。今期(25年2月期)はわれわれの本当の力が試される年になる」。
25年2月期連結業績予想は、総額営業収益が前期比4.8%増の9980億円、営業利益が同8.8%増の500億円、純利益が同7.5%増の340億円。免税売上高についてはさらなる追い風を見込み、前期比24%増となる850億円を計画する。