J.フロント リテイリングの2024年2月期連結業績(国際会計基準)は、売上高に相当する総額売上高が前期比15.3%増の1兆1519億円、営業利益が同2.2倍の430億円、純利益に相当する当期利益が同2.1倍の299億円だった。
大丸松坂屋百貨店が運営する百貨店事業の総額売上高は前期比13.7%増の7478億円。ラグジュアリーブランドをはじめ高額品が好調で、外商売上高は2016億円に到達した。免税売上高は20年2月期比12%増となり、博多大丸を含めた年間売上高721億円は過去最高となった。店舗別では、大丸心斎橋店が前期比35.2%増、東京店が同22.0%増、梅田店が13.9%増、京都店が同14.6%増と都心店の好調が目立つ。
パルコを中核とするSC事業は同16.3%増の2969億円。インバウンドの取り込みが進んだ渋谷パルコが同57%増、心斎橋パルコが同46.1%増と大幅に業績を伸ばした。
今後もインバウンドが伸び代
中国客の戻りが焦点に
25年2月期連結業績は、総額売上高が前期比4.2%増の1兆2000億円、営業利益が同12.9%減の375億円、当期利益が同21.4%減の235億円を予想する。営業減益に関しては、松坂屋名古屋店の8フロアにわたる大型改装に伴う投資増、前期の固定資産売却益の反動を織り込んだもの。伸長を続ける免税売上高については、戻りが遅れている中国客が今後のさらなる伸び代になるとみる。