バロックジャパンリミテッドが中国事業の立て直しに動いている。2024年2月期末時点での店舗数は82店舗純減(出店27、退店109)の244店舗と、大胆なスクラップを進めた。これまで同国においては積極的な出店による成長戦略をとってきたが、出店エリアを精査し、利益重視の方針に切り替える。
2024年2月期連結業績は、売上高が前期比2.5%増の602億円、営業利益が同9.1%減の19億円、純利益が同3.8倍の9億4500万円だった。最終増益は、中国事業の持分法による投資損失縮小によるもの。
ゼロコロナ政策のロックダウンから解放された中国事業は卸売事業が好調に推移し、売上高は前期比3.4%増の54億円だった。一方、「中国においては消費マインドの低迷、輸出の低迷、不動産不況などにより、経済成長が踊り場にきている」(同社決算資料より)。北京、上海など不動産不況の影響が少ない都心部の店舗数は維持しつつ、地方エリアの不採算店舗を閉めた。
国内事業の売上高は前期比3.1%増の547億円、営業利益は同3.4%減の11億円。暖冬により冬物販売は伸び悩んだが、春物販売は堅調に推移した。ただし、販管費の増加をカバーしきれずに営業減益となった。
24年2月期は中期経営計画の最終年度となった。同期末時点での営業利益率を7.5〜8.0%とする目標値に対し、実績値は3.2%と大幅な未達となったことから、今後は利益面の改善に集中する。国内事業においてはブランドの改廃と投資集中、中国事業においては不採算店のスクラップを引き続き推進する。
25年2月期連結業績は売上高が前期比5.0%増の632億円、営業利益が同20.3%増の23億円、純利益が同27.4%増の12億円を予想する。