
米「WWD」は、今シーズンもランウエイショーが終わるとバックステージに駆け込み、デザイナーの時代や社会、洋服に対する思いに耳を傾けた。各都市でコレクションを発表したデザイナーの言葉の中から、印象的なものを紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2024年4月15日号からの抜粋です)
Stella McCartney
ステラ・マッカートニー
「ステラ マッカートニー」クリエイティブ・ディレクター
「(今シーズンは)楽しさ、大胆な色使い、それでいて着こなしやすい。私はポジティブな気持ちを持っていたい。そしてファッションを通して人々を元気づけたい」
Giorgio Armani
ジョルジオ・アルマーニ
「ジョルジオ アルマーニ」デザイナー
「何もかもがクレイジーだ。私はこのような世界を嫌悪している。贅沢と強引さの名の下に、何でも受け入れられている一方で、コレクションをまとめることがいかに難しいかを明確にし、強調してほしい。私はタイムレス&エレガンスを重視して、最後の一着となるような長く愛用できる洋服を提案している。とても大変な仕事であり、決して満足はしない。“ファッショナブルである”という言葉は、もう使わない」
Jonathan Anderson
ジョナサン・アンダーソン
「ロエベ」クリエイティブ・ディレクター
「“貴族”という考え方は、今やほとんど存在しない。でも1920年代のモーニングコートを見つけたとき、何か信じられないような力があると感じた」
Chemena Kamali
シェミナ・カマリ
「クロエ」クリエイティブ・ディレクター
「女性の着こなしにおいて直感はとても重要で、それは『クロエ(CHLOE)』の精神と密接につながっている。正直で誠実、現実に根ざしていると感じられるものでなければならない」
Demna
デムナ
「バレンシアガ」アーティスティック・ディレクター
「現実には、スマホなどのスクリーンに費やす時間を理由に見落としている美しさがある。こうした過剰なコンテンツに私は危機感を持っていて、重要なことに集中できない自分たちというアイデアを同じ目線で考えた」
Yoshiki
ヨシキ
「メゾン ヨシキ パリ」クリエイティブ・ディレクター
「キャリアをスタートさせた当初から、そして若い頃から、ファッションは常に私のコミュニケーションの武器だった。音楽とともに、ファッションは僕の人生の100%を占めている。ファッションは僕のメッセージを着飾り、僕を守り、強くしてくれる」
Stefano Gallici
ステファノ・ガリーチ
「アン ドゥムルメステール」クリエイティブ・ディレクター
「40年以上ブランドを手掛けたアンに対する思い入れは人ぞれぞれで、その森に入れば入るほど迷ってしまう。でも私はその感覚に常にポジティブであり続けながら、空間を彷徨い続けている」
Rei Kawakubo
川久保玲
「コム デ ギャルソン」デザイナー
「今回のコレクションは私の現在の心境を表現している。世界のあらゆるもの、特に自分自身に対して怒りを抱いている」
Louise Trotter
ルイーズ・トロッター
「カルヴェン」クリエイティブ・ディレクター
「スポーツウエアとイヴニングウエア、デイウエアにはそれぞれ興味深い空間があって、私はそれについて考え取り組んできた。女性は自分自身のためにどうありたいかを選ぶことができる。私が表現する女性は、自分のために服を着る女性たち」
Miuccia Prada
ミウッチャ・プラダ
「ミュウミュウ」クリエイティブ・ディレクター
「クラシックアイテムは、子どものころでも、大人の女性になったときでも選べばいいわ。私は、今必要だと思うファッションの可能性を提示している。でも最終的には、あなたが選ぶの。私は毎朝、自分が15歳の少女なのか、それとも死が近い女性なのかを決めなければならない。私にとってクラシックとは、決して流行遅れにならないもの」
Dries Van Noten
ドリス・ヴァン・ノッテン
「ドリス ヴァン ノッテン」デザイナー
「ウエラブルは退屈である必要はない。ただし気軽に着こなせるよう見せるには、かなりの努力が必要なんだ」
Kei Ninomiya
二宮啓
「ノワール ケイ ニノミヤ」デザイナー
「より多くの色、より多くの質感を使い、さまざまな種類の素材をミックスして、新しいものを作ろうとした。そして光でも遊んだ」
Sean McGirr
ショーン・マクギアー
「アレキサンダー・マックイーン」クリエイティブ・ディレクター
「私は過去を振り返るノスタルジックなタイプではない。なぜなら、前へ進む私を阻止するから」
Satoshi Kondo
近藤悟史
「イッセイ ミヤケ」デザイナー
「自然の中に見出す力にエネルギー、あるいは強さ、本質的なものがある。シンプルにすることで、服は時代を超越した普遍的なものになる」
Olivier Rousteing
オリヴィエ・ルスタン
「バルマン」クリエイティブ・ディレクター
「サヴォアフェール(歴史により培われた独自の審美眼や美意識)は強迫観念だ。世界中のサプライヤーが働き続けられるようにしたいんだ」
JUNYA WATANABE
渡辺淳弥
「ジュンヤ ワタナベ」デザイナー
「洋服と彫刻のコントラストの美しさを表現したかった」