日本最大級のファッション展示会「FaW TOKYO(ファッションワールド 東京)2024 春」が4月17日に東京ビッグサイトで開幕した。初日朝には、バイオテックワークスエイチツー(BIOTECHWOORKS-H2)が、廃棄衣料を水素化するプロジェクト「リボーン バイ バイオテックワークスエイチツー(REBORN by BIOTECHWORKS-H2」のローンチイベントを開催。鏡割り式には、俳優の広末涼子や業界関係者を招き華やかに行われた。
同ブロジェクトは、提携企業から集めた廃棄衣料をプラントで水素化し、再生可能エネルギーとして活用するもの。繊維製品のリサイクルは現在のところ、混紡素材の分解や副資材の分別に課題があり、全ての廃棄衣料を資源化できる同プロジェクトは新たな選択肢となりえる。商品の組成や質量から水素生成量を算出し、それに基づいてCO2削減量を算出。その情報を製品タグのQRコードを通じて生活者に伝える。
鏡割り式には、同プロジェクトの一役を担う副資材メーカーや展望を共有する企業が登壇した。イオングループの商業施設オーパ(OPA)は、同社と協業し2025年をめどに新たな古着回収プロジェクトを予定している。渡邉祐子オーパ社⻑は、「商業施設としてはそこを訪れた人たちが心躍る取り組みを大切にしたい。お客様から回収した不要衣料をエネルギーに変えて、施設運営に活用できるならお客様と夢を共有できるだろう」とコメント。また、縫製工場の野村貿易の勝又貞行執行役員ライフ部門⻑は、「工場で大量に発生する落ち綿の多くが混紡素材であり、これまではリサイクル方法が限られており、水素化はその一つの解決策となり得る」と言う。
ゲストとして登壇した広末涼子は、西川明秀バイオテックワークスエイチツー 代表取締役CEOと「サステナブルとファッション」をテーマにトークイベントも行った。「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」のデニムとシャツ姿で登場した広末は「デニムは昔から好きだったけれど、実は母親になったとき、“女優感を出さなきゃ、ヒールを履かなきゃ”と封印した時期があった。40代で解禁して探したら、実は炭で染めているデニムやその製造工程を明らかにデニムなどが増えていて、選ぶ際にも製品作りの背景を意識する様になった」と服選びのポイントについて語った。
「自分は、ファッションが大好きで、買うことが楽しい。同時に廃棄は減らしたいけど限界はある、そしてサステナブルという言葉は難しい。自分は、ゴミを捨てるのが誰もが楽しくなったらいいよね、大好きな日本を未来の子供たちに残せたらいいよね、という思いで取り組んでいる」という西川CEOの言葉を受けて、広末は「子供たちが泥遊びするときは汚れることを気にせず遊んでほしい。ペンキがついたらそれは一つのアート。たくさん楽しんできて、そして手放した服が水素になって家庭で使うエネルギーとして目に見える形になったら家族も楽しくなると思う。子供達は数値化されたものを面白がるから」と応えた。