エスティ ローダー カンパニーズ(以下、エスティ ローダー)は、「ル ラボ」「ロディン オリオ ルッソ」に続き、ニッチ フレグランスブランド「エディション ド パルファン フレデリック マル」(以下、「フレデリック マル」)を買収した。2015年1月に手続きが完了する予定。取得額は未公開。
近年増えているニッチ フレグランスブランドの勢いに火をつけたことでも知られる「フレデリック マル」は、2000年に創立。現在は、12人の調香師が手掛けた21種のフレグランスを扱う。6月にはニューヨークに新コンセプトの店舗をオープンした。同ブランドのビジネス規模は、卸ベースで約1600万ドル(約18億2400万円)だ。これまで主に百貨店で展開するフレグランスブランドを扱ってきたエスティ ローダーだが、「フレデリック マル」と「ル ラボ」の買収によって、よりニッチでラグジュアリーなフレグランスカテゴリーの強化を狙う。
エスティ ローダーはこの1ヵ月だけで3ブランドの買収を発表していて、積極的に傘下ブランドを増やしている。同じく今年に入ってから着々と買収を進めるロレアルへの対抗策という説が有力だ。ロレアルは今年、「キャロルズ ドーター」「NYXコスメティックス」「サユキ カスタムコスメティックス」「ニーリー コスメティコス」のほか、中国の美容マスクのメーカーであるマジック・ホールディングス・インターナショナル、資生堂が保有していた「デクレオール」「カリタ」を買収している。これらの買収はエスティ ローダーよりも大規模で取得額も高い。
エスティ ローダーのファブリツィオ・フリーダ社長兼最高経営責任者(CEO)は、「安定した成長を維持するため、既存ブランドの強化とグローバル展開を進めるとともに、次世代を担うブランドへの積極的な投資を行う」とコメントし、さらなる買収計画を示唆した。