70歳のインスタでの呼び掛けに60人が賛同
「WWDJAPAN」は2021年5月10日号で“主役世代”と銘打ち、50〜60代にフォーカスした。このほどそれをさらに上回る、70代が主催し80代が参加するイベントが実施されると知り、4月17、18日の両日、東京・広尾のミュージック&カフェサロン「トモキョンズ」で開催された交流会に潜入した。編集部ではあらためて、この層を“スター世代”(人によっては孫の世話さえひと段落し、自分らしくキラキラしていられる世代)と命名し、その実態に迫りたい。
主催者はファッションコーディネーターの島崎真代さん(70歳)、フォトグラファーの山本美千子さん(68歳)、ライフスタイルプランナーの益子秀美さん(64歳)だ。「特に会に名前はない。強いて言うなら“交流会”かな?」と屈託なく笑う。初開催は2023年3月の東京・京橋で、その後福岡、広尾と回を重ねた。
第4回となる今回は約60人が参加。仙台や大阪、遠くはロサンゼルスからの来場者も!最高齢は85歳で、過去には48歳の母に連れられた19歳も参加したという。
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主催者3人に聞く“スター世代”のリアル
WWD:参加者から聞こえるのはどんな声?
島崎:最も多いのは「年を重ねるのが怖い」というもの。
山本:一方で、好き勝手やってる私たちを見て「勇気が出た!」という声も(笑)。
益子:60歳を超えると「私たちにできることがあるの?」と聞かれることが増えるが、逆に「できないことがあるの!?」と返している。
山本:ただ女性の場合、40代後半ともなると社会的に“締め出されて”しまうのも事実。
益子:ほんと、求人がなくなってしまう。
島崎:男性に比べて10歳は早くシャッターが閉じてしまう。
山本:そんな時は、私みたいにクリエイター職に進むのもオススメ。私は55歳からプロカメラマンになったので。
島崎:私も67歳でユーチューバーデビューした(笑)。
益子:趣味でも良いと思う。同級生やご近所だけじゃない、新たな友達を作ってもいいし。
島崎:実は私たちも出会ってまだ1年ちょっと(笑)。60歳だろうが70歳だろうが、できないことなんてない!
山本:とはいえ現状としては、多くの女性が更年期でいろんなことを諦めちゃう……。
益子:体調も悪くなっちゃうしね。
島崎:そんな時こそ、“寝たきりより出たきり!”。
3人:われわれの合言葉です!!
来場者スナップ ドレスコードは“帽子”
今回も初参加が7割ほどとコミュニティーは、どんどん拡大している。“3人のインスタグラムやユーチューブによる発信に、憧れたり感化されたりして接近→気が付けば被写体となり、発信する(影響を与える)側に”という好循環が続いている。
PHOTOS : YUIKI HAYAKAWA
【エディターズ・チェック】
自分の母親ほどの世代のパワフルな姿、ファッションを心から楽しむ姿を見て、控えめに言って感動した。同時に「人は歩みを止めた時に、そして挑戦を諦めた時に年老いていくのだと思います」というプロレスラー、アントニオ猪木の引退試合後のスピーチを思い出した。“スター世代”に比べたら、アラフィフな僕はまだまだ若造だが、人に刺激を与え続けられる人でありたいと感じた。